財政状態が厳しくなり、売上が下がってきた、とします。売上、と言った場合、わかりやすくは、単価と販売量から構成されます。もう一つ、リピート、という要素もあるのですが、今回はこれを省略して単価と販売量だけで考えるのですが、どのような順序で上げていくか、考えてみました。どちらかというと、小売よりはお客さんが離れにくいような事業を想定しています。
まず考えるべきは、単価の方をどう上げるか、ということです。もっとわかりやすくいえば、値上げをする、ということですね。値上げ、お客さんにとってはなかなか受け入れにくいものですし、提示する方もやりにくい、ということあるでしょう。時として客数が減ってしまう、ということもあるでしょう。ですが、単価✖️客数の積である売上が上がれば、その分、客数が減った分変動費も減るので利益にはプラスの影響を与えます。
ただ、値上げは直接的にお客さんの費用の増加につながるので反発も予想され、場合によっては、解約、客離れ、等もあり得ます。いくら、一時的に売上が増えてもお客さんが離れてしまえば、長期的にはジリ貧になってしまいます。ですので、市場や同業者の動向やお客さんとの関係等等を考慮して、適切に値段を上げていくということも必要でしょう。
もちろん、単価を上げるためには、値上げをする以外にも、高級な商品を売る、とか、抱き合わせで販売する、とか、効率化し単位あたりの単価を上げる、といった方法や、値上げでも、既存のお客さんは現状で、新規のお客さんから、とか、そういう方法もあるので、うまく組み合わせながら、値段を上げていきたいものです。もちろん、値段を上げつつも、きちんと価値の増加も留意する必要はあるでしょう。
もう一つ、客数の増加です。具体的には営業や集客、もしくは、新規事業の立ち上げ、というのもあります。これは、どちらかというと長期的に取り組むべきことでしょう。というのは、客数の増加は短期的には結構負担が大きい、という面があります。単価を下げて客数を増やすと、売上もそれほど上がらないし、コストも新規受け入れというのは、結構、かかってしまうという面もあり、即効性はあまりなかったりもします。広告を打つのも、やっぱり、広告費がかかってしまうので、利益に対してはマイナスな面があります。
ただ、長期的には客数の増加を図っていかないと、事業全体が先細ってしまいます。単価の上昇は、そんなに頻繁にはできず、どこかで打ち止めになってしまいます。また、客数の増加は、いきなりやっても負担が大きく、結構、難しいので、継続的に施策を打ち、継続的に増やすと、一点に負担は集中しないですよね。それと同じで新規事業についても、いきなり収益がバカばか上がる、ということはないので、こちらも地道に準備をしていく、ということが必要です。
もちろん、きちんと客数や客単価の状況や売上の推移をモニタリングして、適切な手を打っていく、ということが必要です。ですが、外部環境の変化でまずい、ということもあるので、その時にどうやって売上を上げていくか、考えてみました。