前職に勤めていたころの話です。以前のプロジェクトチームのメンバーで、飲み会をしようということになりました。その時、私の隣に座ったのが、その時の会社ではかなり地位の高い方だった、ということがあります。これ幸いと(か、話のネタに困って)「会社の偉い人って、いったい、なにをしているのですか?」と聞いてみた時のこと。予想もしない答えが返ってきたのを思い出したので、少し綴ってみます。
この質問をするときに想定していたのは、「会社の将来を考え、経営戦略を練っている。」というものでした。経営学の教科書には、「トップマネジメントは、戦略を策定し、それをもとに組織を動かす。」みたいなことが書いてあり、前職はそれなりに規模が大きな会社であったため、当然にそんな話が返ってくる、ものだと考えていました。
ところが、その時の回答は「色々な場所に行って、色々な人に会って、色々な人につなげる。ただ、それだけ。簡単でしょ。」という返事。つい、「あっ、そうですか、、、。」と凍ってしまいました。その時は少し緊張していたこともあり、その話を深掘りすることができず、なんとなく終わってしまいました。
今、ふとそんなことを思い出したので、少し、その言葉の真意を考えてみます。会社のお偉いさんとして、活動している以上、そこにはなんらかの経済的合理性があるはずです。おそらくは、会社の広告宣伝を含めた広い意味での営業活動なのかなと。日本の特性かもしれませんが、偉い人が顔を出すだけで、顔を出されたほうは恩義に感じるということがあります。それにより、自分の属している会社の印象を良くする、ということがあるでしょう。これだけで、広告宣伝的な効果があります。また、偉い人に会うのは、別の会社の偉い人です。そこで、話が盛り上がったり新しいビジネスの話をすると、一気に話が動くでしょう。これが、偉い人たちが会う効用で、ペーペーが名刺交換しても悲しいかな、ビジネス的には大したことは起こりません。また、「つなげる」ということは、他の会社と自分の会社の部門をつなげれば営業や購買になります。そうでなくても、つなげたことにより、双方に感謝されることになり、会社のイメージというはあがるはずです。
もう少し、議論の抽象化を進めると、これは決して大きな会社だけでなく、中小から個人事業主に至るまであてはまりそうな気がします。「トップセールス」ということもあるように、偉い人が外に出ていき、ビジネスを大きくする、というのは会社の成長にとって必要不可欠な気はします。
ちなみに、このときのやりとりですが、2年以上前のことなので、若干、記憶が誤っているかも。あのときは、せっかくお偉方と話せたので、メモで残しておけばよかった、、と思う今日この頃です。