さてと、長きに渡る旅行記も、そろそろ、終わりです。少し抽象度をあげて振り返ってみました。
今回も、旅のスタイルは街歩きです。一人ででかけ、自分の足で歩き、公共交通機関(といっても、主は地下鉄や電車)で動くような旅行をしています。観光の名所、を見ることは好きなのですが、それだけが旅行の楽しみではありません。観光の名所への移動途中にあるちょっとした風景を見ることが結構好きだったりします。また、ガイドブック片手に目的地に着く不思議な達成感も好きなのです。まあ、このスタイルもそろそろ飽きてはきたので、今度は友達や恋人と行く旅、とか、ビジネスツアーやボランティアツアーの様にテーマがある旅、もしたいなあ、、と思います。
また、今回は本とともにある旅、だった、ともいえるでしょう。この旅行記でもたびたび言及していますが、僕は塩野七生さんの「海の都の物語」が好きで、そこでベネチアを主たる渡航先を選んだのです。ローマは、自分にとって通り道という位置づけで、ベネチアのほうが若干滞在期間が長かったりもします。で、塩野七生さんといえば、ローマ人の物語が有名で、僕も30代前半のときに読んだのですが、その時はあまり自分の心には刺さらなかったらしく、あまり内容を覚えていなかったのです。ですが、せっかくにローマに行くので、読み直してみると、結構、面白くて帰国後も読み続けている、ということがあります。
あとは、今回は行列との付き合いが多かったかな。旅行記中も行列について書いてあることがやたら多いように感じました。どうしてかな、、と思うと理由は簡単、僕が旅行に行ったときに、こうまで行列に並ぶことはなかった、、と思います。パリのルーブルやニューヨークのメトロポリタンでも、中は混んでいましたが、行列にはなっていなかったような。それが、今回はどこに行っても行列なので、それを意識したたびになってしまいました。
最後に、ローマとベネチアざっと比較してみます。ローマもベネチアも同じく、歴史を持ち、それに伴う見所をもつ、観光都市です。両社とも古くからの街並みがあります。ただ、ベネチアは水の上に街がある、という非常に幻想的で素敵な空間なのですが、その反面、巨大なテーマパーク、というような印象も若干受けました。あまり、人の暮らしが見づらいのかな、、という感じです。他方、ローマは観光地としても有名ですが、一国の首都、ということもあり、政治でも経済でもイタリアの中心です。そういう意味で、人の生活とか、ちょっとした面白い光景はローマのほうが多かったような気もしています。
これで、今回の旅行の話はひとまず終わり。まあ、なにか思い出したことがあれば、また、追記することとします。