事業を承継する人が持つ2つの不安と1つの解決方法

事業承継を受ける人、というのは、2つの逆方向の不安を持ちます。今回は、その2つの内容と解決方法を考えてみます。

まず一つ目の不安は、先代に事業を任せておくことの不安、です。つまり、後継者は外から入ってくることが多く、入る前に色々な経験を積んでいることが多いです。そうすると、中に入ってみると不合理な点ばかりが目についてしまいます。そうすると、「このままでいいのか」という不安を感じてしまうことも多いです。この不安に負けてしまい自己主張を始めると、暴走する2代目、とか、現場のことをよくわかっていないのに理想論を振りかざす後継者、というレッテルを貼られてしまいかねません。

もう片方は、いざ自分で決める折に本当にその決断が正しいのか、、という不安です。今まで、経営の意思決定は全て先代が行なっていて、それをいざ自分がするとなると不安に駆られてしまいます。大きな決断であるほど、正解はわからず、難しいのです。この不安に負けると、どうしても、無難な方に決断が流れたり、または、決断できず時が流れてしまう、ということになり、茹でガエルというか、ジリジリと苦しくなってしまう可能性もある。

この共通する解決策としては、勇気を持つこと、です。前者であれば、待つ勇気、後者であれば決める勇気です。

待つ勇気、自分が決めれるようになるまで、不安でもじっと待ってみるということです。もちろん、ただ、待っているだけではなく、その間に将来の構想を練ったり必要な知識を得たり担当業務で成果を上げたり、ということが必要でしょう。で、時がくれば、自分が思う方向に、一気に、なのか、徐々になのか、はさておき、持っていくということができます。

そしてその後に求められるのが、決める勇気。もちろん、何もせず直感で決める、のではなく、考えたり調べたり聞いたり相談したり、そういうことを積み重ね、できるかぎり思考を積み上げた上で、でも、最後、どうしても悩むというところで、えいやっ、と決めていく。おそらく、これも慣れで、社長業が長ければそういう意思決定もそれほど悩まないようになるのでしょうが、最初のうちはかなり負担となることでしょう。でも、これを乗り越えないと先がないので、勇気を出して超えていくわけです。

ということで、事業承継をする人にとって、決めれない立場にいても決めれる立場にいても不安は付き纏います。それを克服するためには、勇気が必要なのです。

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