他責思考、なにか問題があると他人に原因を求める思考です。人間の思考様式には、他責思考が強いのですが、他責思考には罠がひそんでいます。自分も他責思考に囚われることもままあり、自戒を込めて書いてみます。
他責思考に立つと、外部に問題を求めてしまいます。例えば、「社長が悪い。」、「部下が悪い。」、「社会が悪い。」、「景気が悪い。」。そして、その悪いところが、「なぜ悪いのか。」ということも論理的に分析できていて、はたから聞いていても、つい、なるほど~、と思うことがあります。
ただ、ここで落とし穴が一つ。他責思考にはまると、行動ができなくなります。つまり、問題の所在を外に求めてしまうと、外に自分の意識の焦点があってしまいます。そうすると、それを責めて文句を言うばかりで、自分でなにかをしよう、ということができなくなります。
また、他責思考にとらわれると、「~はXXだから。」とか、「言っても無駄だよ。」と、思考が後ろ向きになり、「自分でなんとかしよう。」とか、「行動しよう。」とか、そういう、前向きな思考になりにくくなります。
それとは逆に、他責思考にとらわれると、その人を変えようとしてしまう。特に、部下とか、自分より立場が低い人にはそれをしがちです。もちろん、すんなり、変わればまだいいのですが、そうでない場合だと、ここで行き詰まってしまいます。
ということで、他責思考の罠について考えてみました。これに対するのは、自責思考といい、なにか問題が起こった場合に自分に責任を持ってくるという考えです。言い換えると、他人はさておき、その中で自分ができることをしていく、ということです。自分のほうで、行動を起こすので、こちらのほうが、問題を解決しやすくなるということです。