社長でも政治家でもリーダーになれば、それ相応の権力を持つようになります。つまり、地位が高くなれば、その分、人を動かす力が大きくなるわけです。ですが、権力を振りかざす際はいくつか気を付ける必要があります。
ここでいう権力を振りかざすとは、「自分の持つ地位や影響力を行使して、その構成員の意思や希望に反する行為をさせること」とします。つまり、向こうが望むことをする、ということはここでは権力を振りかざすことに該当しないことにします。
権力を使いすぎると、その分、権力が弱くなるということがあります。例えれば、お金を使えばお金がなくなるように、権力を使えばその分権力が減ってしまう、という面があります。
権力の源泉というのは、構成員の支持があります。この支持がなくなれば権力は少なくなります。これは、どんなに独裁的な政治家であっても、それはあてはまります。権力を振りかざせば、構成員が嫌な思いをし、リーダーに対する支持を失ってしまいます。ここでは、記述を省略しますが、独裁的とよばれる国を見ても、案外と国民はその政治家を信任していますし、独裁者であればあるほど民衆の支持は気にしているものです。
社を考えてみます。会社は社長がトップですが、案外この社長は従業員に気を使っています。結局、従業員が社長や会社を支持しなくなり、集団で反旗を翻したり、退職されたりしたら、社長も困るわけです。社長が従業員の顔色をうかがうのは、自分に対する支持が権力基盤となっているので、その権力基盤が毀損するのを恐れるわけです。
じゃあ、権力を振りかざさない、というのも、問題で、時として権力を振りかざしてでも、自分が思う方向に組織や構成員を動かす必要もある。それが、権力の使い方を難しくさせます。
あと、もう一つ注意したいのは、権力は麻薬みたいなものなので、乱用すると依存してしまうこともあります。人を思うまま動かす、というのは、ある程度の快楽があるようで、そこにはまり乱用すると自分への支持が減り、民心が離れ、権力は失せてしまう。気づけば、周りから人がいなくなりなにものこっていなかった、ということもあります。
ですので、権力を振りかざす、ということについては、振りかざすべきときを慎重に考える必要があります。