値上げを考えることは経営全般を考えることである

値上げする、というのは、なかなか大変なことです。一度すると決めたら、色々なことを考えないといけません。今回はそんなことをば。

まず、値上げをする前に考えるのは、お客さんとの関係性や価格に対する鋭敏度です。お客さんとの関係が悪ければ値上げをすればそれだけで離れてしまいます。価格に対する鋭敏だと、それもお客さんが離れる要因となります。ですので、価格を上げたらどれだけお客さんが離れるのか、または残ってくれるのか考えないといけません。まあ、価格を少し上げてお客さんがみんないなくなってしまう、ということであれば、事業の継続性そのものを考えないといけませんが。

あとは、外部環境をきちんと分析する。値上げをするには理由が必要です。その理由というものは、お客さん固有の事情もあるし、あとは、値上げ、賃金水準の上昇、規制の厳格化等、外部の要因もあります。理由はたくさん合った方が、説得力があるので、理由をたくさん集めてくることが大切です。そのために、特に外部要因をきちんと集めてくることが大切でしょう。

あとは、価値。その商品が持っている価値であり、それを生み出すことができる組織としての力が大切です。値上げのためには、価値を上げることも当然に大切ですが、それだけでは足りません。価値をきちんと伝えないと、いかに価値を上げてもお客さんは認識せず、値上げを了承してもらえません。どのような価値をどう伝えるか、まさに企業の強みは何かが問われるわけで、経営全般のこととなります。

それとともに、効率化もあるでしょう。値段そのものを上げられなくても、効率化できれば、単位あたりの値段は変わります。例えば、1つの製品を作るのにあたり、今まで2時間かかっていたものを1時間でできれば単位あたりの値段は倍になっているということです。ですので、値段を上げずとも効率化できればその分、実質的な値上げと言えるでしょう。もちろんこれは内部だけの努力ではなく、お客さんにうまく動いてもらうことにより、効率化を図ることもできます。

最後は、コミュニケーション能力と交渉力。やっぱり値上げの必要性をうまく伝えて納得いただくには、一定のコミュニケーション能力は必要です。交渉力、とかいたのは、コミュニケーション能力も必要ですが、それ以外の面もあるからです。それは、拒否できるかどうか。つまり、値上げを受け入れてくれないお客さんにさよならを言えるか、ということです。さよならが言えると値上げは俄然しやすくなります。交渉力をつけるためにも、商品やサービスを上げて、お客さんにとって必要不可欠なポジションに立つ必要があります。

ということで、値上げをするにはこれだけ広範囲に物事を考える必要があります。まさに経営全般に目配せすることが必要となってくるわけです。

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