よく、人の情の無さを表す言葉として、「うまくいったときに人は寄ってくる、うまくいかなくなると人は離れる。」ということがあります。これ、実は本人にも原因があったりすることもあります。そんなことをば。少し、自戒を込めて書いてみます。
なにか自分の分野で成功したり、組織内で出世したり、商売がうまくいくと、自分に自信を持つようになります。それ自体は悪いことではないのですが、それが続くとうぬぼれを持つようになったりもします。そうすると、態度がえらそう、というか、人を人と思わない態度をとることもあるでしょう。
そうすると、その人の友達のように、利害ではなく人として付き合っているような人は離れてしまいがちです。だって、そんなえらそうな態度の人と一緒にいること、嫌ですよね。
逆にその人から利益をえたい人はどんどん集まっている。その人からお金を引き出したいと思えば思うほど、もしくは、人事で厚遇してほしいと思えば思うほど、多少、心になくとも耳さわりのいい、言葉を使います。
そうすると、いつしかその人の周りには、友人とかそういう利害の無い人たちは離れ、逆に利益を求める人ばかりになってしまいます。別に、利益を求める人にも事情というか、お仕事でやっている面もあるので、そう責めることはできない。
で、いざその人が、事業で失敗する、とか、失脚するとどうなるか。そうなると、その人から利益を求める人は一気に離れてしまいます。その人といても利益は得られないわけですから。他方、利益を求めない本当の友人的な人はすでに離れている。というわけで、その人の周りには一気に人はいなくなる、という現象が生じてしまいます。
これを防ぐのは簡単の様に見えてなかなか難しいところがあります。人は耳ざわりのいい言葉に弱く、そういう人をつい近くにおきがちだから。心がけとして、あまり偉そうな態度はとらない、とか、古くからの友人を大切にする、自分を客観視する、寄ってくる人の目的を推察してみる、ということが考えられます。
成功し、その後失敗すると、多かれ少なかれ誰しもそういうことが発生しがちです。ですが、少しでも離れていく人を少なくするように、成功している時のふるまいを考えてみたいものです。