説得のお作法:自分のことで感情を載せ、人のことで一般性・客観性を担保する

時として、人になにかを勧める、教える、方法を提案する、ということがあるかもしれません。人になにかを説得するようなときや、方法を提示するような場合には、具体的な事例を提示したほうが具体的でわかりやすいですよね。その場合、自分のことと人のことを両方用いると説得力が増します。今回はそんなことをまとめてみました。

まずは、自分のこと。自分がやってきたこと、成功体験、失敗談を事例としてとりあげる、ということがあります。自分のこと、というと、話の内容が具体的になるので、聞いているほうが受け止めやすくなります。また、自分のことを話すと、感情がこもり、その感情が伝わることにより、相手の気持ちにも響きやすくなります。どこかで聞いた話や、本で読んだ話だけだとは、「この本にこう書いてあった。」というように、どこか他人事で感情もこめにくく、さらりと流されてしまいがちになってしまいます。

とはいえ、自分事だけではなく、他人のことも客観性、一般性という観点から必要です。自分のだけだと、感情は込めやすい反面、客観性が伴いにくく、聞いているほうに「単なる思い込みじゃね。」という感覚を与えてしまうこともあります。また、よくあるのが、「~さんだからできるのであって、私には無理だよ。」というような、特殊事例となってしまうと、そもそも説明したかった本題の影響力が減ってしまうでしょう。ここで、本の事例や他人の事例をもってくると、客観性や一般性を担保することができます。

このように、人に何かを勧めたり、教えたりするようなときで事例を用意するときには、自分のことと、人のこと、両方準備すると感情をこめやすくなるのと、客観性・一般性の担保の両方ができ、説得力のある説明をすることができます。とはいえ、両方そろえるのは結構難しく、時としてどちらかになる可能性もあるのですが、その時は多少説得力が落ちるのは認識しておくといいかと。

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