言うは属人思考、聞くは属事思考〜言う編

先の投稿では、聞く場合は、属事的に、つまり、誰が行ったかより、何を言っているか、ということが大切、といいました。いう場合は、逆に誰が言うか、ということが非常に大切になってきます。

どんなにいいことを言っても、自分がそれを話すことに対する正当性がないと、人は受け入れてくれないからです。

例えば、40歳独身男性が、どうやったら意中の女性を口説き結婚までに至るかのコツを熱弁しても説得力がないですよね。聞いている方としても、「お前はどうなんだ」といいたくなります。逆に、結婚している人であれば、きちんと受け入れてもらえると思います。つまり、同じことを言っても誰が言っているのか、ということで受け取ってもらえるかどうかが変わってくる、ということです。

何を持って正当性とするか、ですが、一番大きいのが実績です。つまり、自分がしていたこと達成してきたこと、を言うか、そうでないか。当たり前だろう、と思うのですが、意外と人は(まあ、わたしもそうですが)自分のことを棚に上げて、偉そうなことやもっともなことを言いたがるのです。ただ、これだと、いいことを言っていたとしてもなかなかわかってもらえないのです。

それともう一つ。それは評判です。実績のさらに上の段階といってもいいかもしれません。なぜならば、評判がいい、と言うことは、実績がありさらにそれを人が認めた、と言うことですから。評判がある人がいうことだと、かなりの説得力があると思います。

もう一つは資格。資格、というのは、能力の証明だからです。なので、弁護士が法律のことを、税理士が税金のことを語れば、一般の人が同じことを言うより説得力を持ってうけとめてもらいます。もちろん、資格の内容が話していることに合致していないといけない。例えば、税理士が恋愛について語っても、まあ、受け入れてはもらえませんが。

これから派生する論点は2つあります。一つは、実績、評判、資格がない人がどうやって正当性を作るか、ということです。これについては、なかなか難しいのですが、機会があれば別途、稿を改めて論じれればと。もう一つは、相手に正当性を感じてもらえば、うまくそれを作り上げてしまえば、実際にはなくてもいいのです。これを悪用すると、詐欺になってしまうので、そういうことはしないようしましょうね。

ということで、自分が何かを言う場合は、それを言うことに対する正当性が必要で、それがないとなかなか受け入れてもらえない、と言うことになります。

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