ストレーツタイムズからアジアをのぞく、2回目の今日はマレーシアにおけるインド系住民に対する補助というお話です。マレーシア、この前は世界中の耳目を集める事件はあったものの、普段は割と穏やかであまりニュースになることはありません。今回は、そのマレーシアのお国事情をとりあげます。
Malaysian Indian Blueprint
マレーシアの首相である、ナジブラザック氏はマレーシアにおけるインド人コミュニティを支援すべく、10年間のプログラムを発表した。これを、Malaysian Indian Blue Printといいます。
マレーシアにおける、インド系住民はおよそ2百万人程度、マレーシア全体の7%程度です。まあ、多数派ではないものの、それなりな影響力を持っている団体でしょう。少数派の常なのでしょうが、やはり教育的、経済的に不利益な立場におかれています。
それを解決しようとするのが、この、Malaysian Indian Blueprintです。主な政策は、500百万リンギット(日本円で1億3000万円程度)の貧困層支援目的のファンド、同額の事業用資金提供のファンド、40百万リンギットの奨学金の設定等等の施策があります。
従前も、選挙対策等からインド系住民への支援ということが掲げられたことがありました。今回もそうでないかと、疑われる向きもありますが、ナジブ氏はスピーチの中で、そんなことはない、と否定しています。
親記事リンク:http://www.straitstimes.com/asia/se-asia/blueprint-to-help-malaysian-indians
マレーシアの民族模様
マレーシアの民族構成ですが、マレー人 67% 、中国系25%、インド系7%となっております(外務省ウェブサイトより)。マレー系の住民が過半数をとり、それから中国系(華僑ですね)が続き、最後はインド系になっています。その他、サバ・サラワクというという少数民族もいます。
マレーシアにおける他民族間の関係については、寛容だけど無関心、というようです。マレーシアで起こった民族衝突が1969年に起こっています(Wikipeda 5月13日事件参照のこと)。その後は大きな民族衝突はないようです。ただ、民族融和が進んでいるか、というとそういうことでもなく、お互いに関して無関心、ということもあるようです(http://perakipoh.blogspot.jp/2013/06/blog-post_4961.html)。
インド系住民の件も、教育的、経済的に苦境に陥っても、なかなか、周りから手を差し伸べられないのも、そういった背景があるからなのかもしれません。今回の施策で少しでもそういったインド系住民に手が差し伸べられれば、と思うところであります。