国際税務についてまとめてみましたシリーズ、今回は8回目ということで、現地法人の事業活動を通じて得られる利益に対する課税上の取り扱いについて自分の理解を記してみました。
現地法人に対する利益
現地法人を海外に設立した場合、通常、現地法人が獲得した所得に対して課税されます。つまり、現地法人は現地での課税主体とみなされ、独立して納税を行う必要があります。以前もしるしましたが、特に恒久的施設ということを検討されることはありません。
http://www.crossborder-accountant.com/permanet-establishmen
配当に対する課税(現地側)
現地法人から得られた利益については、どこかの段階で本国に配当として送金されます。この配当について国によっては源泉税を課税するケースがあります。その場合、現地法人は源泉税の部分を差し引いて本国に送金し、源泉税部分は現地法人が居住する国に納付します。
これは、利益に対する2重課税という見解もあるのですが、それより本国企業の獲得する所得に課税をすべき、ということで課税していると思います。
配当に対する源泉税についても、租税条約で規制されている場合も多いです。その場合、国内法の税率、及び、租税条約における税率のうち、どちらか低い方が採用される、ということは利息/使用料に対する源泉税のケースと変わりません。
配当に関する課税(本国)
本国側では配当に対しては、税額控除、もしくは益金不算入制度がとられることが多く、それにより、配当に対する2重課税を防いでいます。ちなみに、日本では、益金不算入制度がとられているようです。制度の概要は以下をご参照ください。
http://www.pwc.com/jp/ja/tax-keywords/dividend-from-foreign-subsidiary-company.jhtml
まとめ
現地法人を設立した場合は、現地側での課税負担が大きくなるのが一般的なようです。ということは、税率が低い国に現地法人を設立し、そこで課税所得が多くあがるようにすれば、税金を安くできそうです。これについては、一定の規制がなされているのですが、それは、また項をあらためて。