選択肢を提示する、これは話をする、議論をする、を進めるために必要な技術です。選択肢を提示することの意義についてまとめてみました。
ゼロベースだと考えにくい
友達や同僚と食事をする、という場合、よく以下のようなやりとりになっていませんか?
A:「昼、何食べる?」、B:「なんでもいいよ~。」、A:「なにか食べたいものある~?」、B「別に~。」、A:「じゃあこの辺を少し歩いてみてから決めようか?」、、とこのまま、ぐるぐると決まらず食堂街を歩き回ってしまう。。
このようになかなか物事が決まらないこと、意外とよくあるのではないでしょうか。ここで、なかなか決まらないことの一因は、二人ともなんの選択肢をだしていないから。選択肢を出さないと、なにもないところから考えるようになります。なにもベースがないところから思考をまとめる、という作業は思いのほか負担がかかるものです。
このように選択肢がなく、ばくっと聞いてしまうと、意外と答えづらく、その後の会話が続きにくいものです。
一つしか選択肢がないと
選択肢が一つだけ、というのは押し付けが強くなってしまいます。例えば、以下のようなやりとりが。
A:「お昼はかつ丼を食べようよ!」、B:「えー、カロリー多すぎじゃない?。」A:「じゃあどこがいい。」、B:「うーん、これといいって、」、A「なにか意見をだしてくれよ。」、、、
少しもめているようですね。選択肢が一つしかないと、オールオアナッシングとなってしまいます。Bさんとしては、提示された選択肢を受けるかどうかという2者択一となってしまい、受けないとすればゼロベースで自分の意見をまとめないといけなくなり、結構つらいところがあります。
やっぱり選択肢が一つ、というのも考えずらいものですよね。
選択肢を複数用意すると
選択肢、3つくらいあるとどうでしょうか。少しやりとりをみてみましょう。
A:「お昼なににする?」、B:「なんでもいいよ~。」、A「じゃあ、かつ丼かパスタか焼き魚か、どれがいい?」B:「じゃあ、カロリーも低い、焼き魚に。」
めでたく合意にいたりました。選択肢を複数ならべてそこから選んでもらう、やっぱりこれが一番決めやすいようです。仮に、選択肢全てが気に入らなくても、いくつか選択肢が並ぶと、考えるベースが与えられるので、他の選択肢も思いつきやすくなります。
選択肢を用意するときのコツは、自分にとっても、相手にとってもメリットがありそうな選択肢を作ることです。自分のメリットしか考えていないと相手は決めにくくなります。
それと、ある程度似たような属性を保ちつつも、違うと感じられるような選択肢を用意する。昼食の場所の例だと、会話では明示されていないのですが、前提としては職場の近くでどこに行くか、となっているはずです。あまりにも突拍子な組み合わせだと、うまく考えることができません。逆に選択肢の属性が近すぎると、同一の選択肢しか提示されていないのと同様の効果になってしまいます。食事に行くことを例にとると「かつ丼かソースかつ丼かチキンかつ丼か。」という選択肢を提示されても、提示されたほうは「結局、全部かつ丼じゃないか?」となってしまいます。
まとめ
物事を議論する際に選択肢をいくつか出すようにしましょう。そうすると、議論がまとまりやすくなります。ただ、選択肢を作るのは思考や議論を収束させるために使うので、ブレストの初期段階で選択肢化をしないほうがいいかもしれませんね。