仕事には準備が大切、といわれることがあります。出たとこ勝負、だと、仕事の品質は下がってしまいますよね。ここでは、具体的に会計事務所業務に即して、実際、どういう時にどういう準備をしたほうがいいか、ということを論じてみます。
まずは、月次や四半期等で帳簿のチェック(監査)に出かけるときのこと。個々では、手続のチェックリストを作っておくといいでしょう。というのは、月次や四半期のチェックの場合、定型的な手続なので、それをうっかり実施漏れがないように、ということです。それとともに、今月のトピックスになりそうなことがあれば、あらかじめ準備しておきます。
次に、決算の時。決算の前に元帳から入手できるのであれば、それを入手し現場に入る前にあらかじめチェックしておいて、現場での作業をする際に当たりをつけれるようにしておく。また、前年度の決算資料をみて、手続、会計処理、依頼事項、を整理しておく。可能であれば、事前依頼、という形で会社の方にお願いしておくのもいいでしょう。
それと、会議や打ち合わせのとき。この時は、予めアジェンダを作っておき、目的、流れを明らかにしておきます。紙にしたほうが、わかりやすいのですが、微妙な話題の時にはあえて紙にしないということもあるでしょう。また、会計や税務の相談の時は、事前に内容を確認して、可能な限り関連する規制を確認しておいたほうがいいでしょう。
あとは、値段交渉。最もセンシティブ、かつ、会社間の関係や収益性にも影響が大きいところなので慎重に対応したいところ。色々な方法があるところですが、ぼくの場合は、①値上げの幅を決めて、②値上げのための理由を複数上げたうえで、③それらを紙に落として説明する、ということがあります。値下げの場合も、受けるかどうか、またはカウンターオファーをどのようなものにするか、ということを慎重に考えたうえで、これまた、紙で丁寧に説明するのがいいでしょう。
ということで、会計事務所員としての事前準備の在り方を述べてみました。でたとこ勝負だと、うまくいかないことも多いのできちんと準備をしておきたいものです。