先日、公認会計士試験の合格発表がありました。それに伴い、合格者の方は就職活動をしている時期かと思います。多くの人が監査の道に進まれるかと思います。その人たちに向けて、どういった点を気を付けて仕事をすべきか、ということをまとめてみました。
違和感を大切に
まずは、違和感を大切に、ということです。監査をしていると、ふと、おかしいな変だな、と思うことがあります。例えば、勘定明細の中にマイナス残高があったり内容が不明な項目があったり。また、どうしてもお客さんの説明に納得がいかない場合もあったりするでしょう。そういった場合、特に締め切りが近づいてる場合は、ついパスしたくなるものです。ところが意外とこういうところにクライアントの管理上/経理上の問題があったりもしします。そのため、そういったことは納得がいくまで詰めていく、ということが必要です。少なくとも、先輩や上司に報告して指示を仰ぐべきでしょう。
過去の調書にたよりすぎないように
監査をするにあたって、過去の監査調書を参考にすることが多いでしょう。ただ、注意したいのは、必ずしも、過去の監査調書どうりにやればいい、というわけではありません。例えば、会社のビジネス環境、勘定科目構成の変化により別の監査手続が必要となるかもしれません。また、過去の監査手続が完璧ということはなく、どこかで誤り/漏れが生じている、ということもあるかもしれません。そのため、過去の監査調書をなぞるのではなく、あるべき監査手続を意識しながら、業務を進めていくということが必要です。
会社のビジネスに注目を
会社のビジネス、例えば事業そのものや各部門の業務、に注目して業務を行うようにしましょう。試験勉強中は、会計理論、会社法、監査論等学術的なことを中心に勉強します。そのため、会社の事業、会社組織、仕事の流れ、各部門でなにをしているか、ということについてあまり注目をしてこなかったのではないでしょうか。監査実務を行うにあたり、会社(クライアント)がどんな事業をして、どんなフローでそれを行っているのか、ということを把握することが大切となります。例えば、会社の事業の内容がわからないと、具体的な売上の計上基準を判断することは難しい、であるとか、損益項目の分析には会社のビジネス状況、外部環境を理解している必要があるでしょう。
そのため、監査に従事している時に、クライアントの行っている事業の内容に注目し、書籍などでも知識を深めていくことが必要です。また、会社の各部門、営業部、購買部、経理部、財務部、企画部、製造といった部門でどういった業務をしているかも、知っておいた方がいいことでしょう。
まとめ
最初の1年目、大変かとは思います。もちろん、大変さにめげず地道に努力を積み重ねることも大切ですが、それとともに上記でかかげた、違和感/過去調書の位置づけ/会社のビジネス等について留意いただくといいかと思います。