企業会計原則第一一般原則の 7. 単一性の原則として以下のように規定されております。
「七 株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない。」
要するに、目的に応じて実質的な内容を変えてはいけない、ということです。おうおうにして、株主総会や銀行に提出する場合は利益を出したい、逆に、税金を納めるに当たっては、税金を減らすため利益を減らしたい、、、と考えるのが人間の常ですが、そういうことはしていはいけない、というのがこの原則の趣旨です。そうではなく、基礎となる会計帳簿は同一のものを使い、実質的な内容は一つとなる必要があります。
この原則と関連して、二つ以上の会計基準(例えば日本基準とアメリカ基準)を採用しそれぞれに基づいた財務諸表を作成する場合、どうするか、というのが若干の検討事項となります。この場合、会計基準が別であるため、必ずしもこちらの原則し、同一の会計帳簿を作成する必要はないと考えられます。しかし、実務上は2つの帳簿を運用するのは、非常に大変であるため、どちらか片方を採用し、異なる部分のみ修正をする、という運用をしていることが多いようです。