会計事務所、一般的には帳簿をつけて、決算を組んで申告書を作る、ということになっています。サービスは割と明確と言えるのですが、そう入っても買い手と売り手にミスマッチが生じる可能性があります。
大きな違いとしては、自社でつけて会計事務所がチェックする、もしくは会計事務所で帳簿まで付けるというのはありますが、これは大きな違いなので、ミスマッチは起こりません。ミスマッチがおこるのはもっと微細なところです。
よくあるのが、買い手は最低限申告ができる程度の帳簿ができればいい、と思っていて、逆に売り手がもっと経営を意識したサービスがしたい、と思っている時。または、攻めの節税をしたい買い手と、できる限り税務調査等での指摘を避けたい売り手。あとは、単に収入と経費がつけれればいい買い手と貸借対照表まできちんと作りたい売り手。本当は、会社の場合は貸借対照表まで作らないといけないのですが、その辺の理解が行き届いていないことが多く、説得に時間がかかったということもあります。
実は、帳簿をつけると言っても、タイミングや用途、節税志向なんかによって付け方は変わるし、それによって、会計事務所の関わり方、ひいてはお金のかかり方が違ってきます。
一つ考えられる点として、売り手側があらかじめスタンスを明確にしておくこと。内部的に言語として表しておく、ということはもちろんですが、対買い手に対してもチラシやHPに記載したり、または、受注の際にきちんとスタンスを説明する、ということも必要です。そうやって、説明を尽くすと自ずからサービスに関するミスマッチがなくなります。
ただ、難しいのは、受注の際、取りたくなってつい相手の意向を飲んでしまう、ということがあります。特に、営業的な立場をしていると、こちらのスタンスを曲げてまで取りたくなることがある。でも、そうすると、後で、売り手の側で結構苦労するので、ここは断腸の思いで取らない、という選択肢もあるでしょう。
ということで、会計事務所でもそういったミスマッチが発生することが往々にしてあります。そう言ったことがないよう、発信等々で事前に防いでおくことが大切です。