キャッシュフロー計算書 間接法における意外なメリットとは

キャッシュフロー計算書、直接法と間接法の二つの方法があります。間接法、というと、作成の容易性、というところが一番の魅力でそれにより多くの企業が採用していることでしょう。それ以外のメリットについても考えてみました。

一つは、利益との関係がつかみやすいこと。間接法によるキャッシュフロー計算書は利益から出発するので、利益と資金の関係がわかりやすい、ということがあります。通常であれば、利益が大きければその分キャッシュが会社に流入するので、利益の額とキャッシュフロー(特に営業活動のキャッシュフロー)は比例関係にあります。

間接法だと、利益とキャッシュのずれが明示されるので、どこで資金がつまっているか原因がわかりやすく手がうちやすい。例えば、売掛金の金額が大きい、ということであれば、売掛になっている分だけ資金が回収できていないので、売掛金をきちんと回収する、ということように対策を立てることができます。利益が少なければ、そもそも資金は少ない、というのが自明、ということもありますし。

また、利益の額で損益計算書とキャッシュフロー計算書がつながっているので、業績の説明をしてから資金の流れをすると、説明がすーっと流れやすい、というのもありますよね。これが直接法のキャッシュフローだと、パッと見、損益計算書と分断されてしまうので、損益とは切り離して説明しないといけず、そこで場面転換が起こるので理解しにくいかもしれない、というところはあります。

後は、業績評価上は、一般的に損益計算書上の指標を重視する(売上や営業利益)ので、キャッシュの数値もそこにつながっているほうが管理しやすい、というのがあります。

この利益とキャッシュの関係がある、というところが一つ、間接法の大きなメリットです。一般に間接法は簡便的な方法で、業績評価上は望ましくない、と言われることもあるのですが、案外と業績管理、という観点からでも、直接法より優れているのではないか、、ということで、今回はこの記事を書いてみました。

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