「独裁者 / 独裁国家」の強みと弱み

世界全般として、民主主義が多くなってきましたが、とはいえ、独裁国家も存在しています。ただ、独裁、というのも、いくつかメリットがあるので、存在し得ているわけです。そんなこんなを綴ってみることにします。

まず、独裁の最も強い点は思い切った意思決定を迅速にできる、これにつきます。民主主義国家だと、一つの政策なり法案なりを通すには、定められたプロセスを踏む必要があります。また、時として妥協をして本来の政策や法律の目的がゆがんだり、事務手続が煩雑になる、ということもあります。消費税率上昇を見てもこのあたりのところは見て取れるでしょう。ですが、独裁であれば、「これがいい。」ということであれば、あっという間に採用されます。ここにおいては妥協とか交渉とかはないので、目的がそのまま反映する形で実行されます。

また、独裁者が力をもっている時、というのは、ある意味、治安が安定する傾向があります。これは、政情が安定していればこそ、独裁者の身の安全が保証されるわけなので、反乱分子、反社会組織、犯罪者は厳しく取り締まります。結果、治安はある意味において安定するわけです。逆に独裁者が崩れて権力の空白ができてしまった場合は、治安の安定というのは崩れやすくなります。これは、昨今のイラクやシリア情勢を見てみればわかるでしょう。

独裁制のデメリット、というのもあります。一つは、独裁者の資質により国民生活の幸福、経済発展、治安、国際関係等々あらゆるところの質が決まってしまう、ということでしょう。名君とよばれるような人であればいいのですが、悪王とよばれるような人だと国全体に悪影響が広まります。さらに、独裁国家には独裁者を変える仕組みはないので、独裁者の資質に問題がある場合は長きにわたりその害悪がその国家に及びます。独裁者が駄目なときの悪影響が大きすぎる、というのがこの政体の最大の弱点、となるでしょう。

独裁制、政治の世界には少ないですが、一定数あります。最大の強みは意思決定力にある、ということでしょう。これは日本の国会なんかを見るとよく理解できるところでしょう。とはいえ、独裁制、自浄作用はないので、まずくなった場合には残ってしまうということがあります。そんな感じで、政治を見てみるとまた、見かたが異なるのではないでしょうか。

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