人間が社会生活を生きていく、ということは、出会いと別れを繰り返していく、ということです。その中でも、人との別れ、というものは時として辛いものです。特に、人間関係が深ければ深いほど、別れは一層辛くなります。ここでは、ただ辛がるだけではなく、別れが人生にもたらす意義というものを考えてみました。
時間の密度が濃くなる
この人ともう会えない、と思ったらどうしますか。その人とより一層寄り添う、なり、時間を増やすなりすると思います。人との別れがあるから、そして別れを意識するからこそ、その人との時間の密度を濃くしようとします。別れを意識するからこそ、今、一緒にいられる時間を大切にできるのかなと。
ただ、注意が必要なのは、別れを意識することです。別れを意識せずに人と会っている、なにげなくすごしていると、その人との時間は軽く流れていしまいます。そうなると、後で、「もっとその人との時間を大切にしておけばよかった。」と思うことになりかねません。
別れがあるからこそ出会いがある
人との別れ、というのは、その次に新しい出会いが用意されています。
時間の制約があるので、一人の人と深く付き合ったら他の人に割ける時間は減ってしまいます。そのため、別れがあり、そこに時間の空白、人間関係の空白が生まれれば新しい関係性が中に流れ込んできます。
環境が変わることにより必然的に別れ、出会いが巻き起こります。例えば、引っ越しをしたような場合。そのような場合はどうしても昔住んでいたところにおける方々とのおつきあいは薄くなってしまいます。他方で、徐々に引っ越し先における人間関係は深くなっていくことでしょう。このように状況の変化がおこると一気に別れと出会いが発生します。
別れの悲しみが人生を深くする
別れ、特に人間関係が深ければ深いほど、悲しいものです。ですが、そのような悲しみがあるからこそ、喜びがある、とも言えます。そうやって、喜びと悲しみの起伏があるからこそ、人生は深く面白いものとなるでしょう。
小説であり、ドラマであり、映画であり、別れを主題としたものは非常にたくさんあります。自分自身が別れの悲しみを体験していれば、そういったお話もより深く楽しめるようになります。
まとめ
別れ、やっぱり辛いものです。ただ、それがあるからこそ、その人との時間を大切に思うことができたり、新しい出会いの契機になったりします。また、別れを経験することにより、より自分自身の人生が深くなる、ということもあります。