和牛の霜降り肉、高いですよね。確かに高い。今回は、和牛の霜降り肉のステーキを題材に値段の本質、というか、いくつかの側面について考察してみました。今回はそんなことをば。
一つは人気があるから高いのだ、ということです。需要と供給のバランスを考えて需要があるから値段も高くなる、ということです。この人気の源泉ですが、一つは質です。料理の質、と言われれば美味しいということですよね。あとは、ブランドイメージ。和牛の霜降りは高級、という、イメージがあり、それが値段を引き上げている、という面があります。
需要と供給の話をしたので、供給を絞る、というのも値段を高くするために必要なこと。そのために、産地を指定したり、手のかかる飼育法、高級なエサを採用したりして、手を尽くして、なかなか余人では真似ができないような製品に仕上げると値段が高くなります。いくら、質が良くて良いものであっても、供給量を増やせるのであれば、高くはならないですからね。
あとは、値段が価値を指し示す、ということもあるでしょう。例えば、贈答用、来客があるさい、何かしら質の良いものを、といった場合、高ければ良い肉なんだろう、という推定が働きます。特に、普段食べ慣れていないようなものは、自分もよくわからないので、高いものはいいものなんだろう、と考えて購入してしまう、ということもあるでしょう。
それと、逆もあります。じゃあ、万人にとって、和牛の霜降りのステーキが価値のあるものか、、と言われるとそれも違うじゃないかと。実は、人によっては和牛の霜降りステーキに対して否定的な考えを持つ人もいます。そもそも、和牛の旨みというのは脂の旨味だし、脂が多いので柔らかいのです。逆に輸入した牛肉の赤身はギュッとしまっていてそれなので多少は硬い面はありつつ、肉の風味や旨みが強い、という考え方の人もいます。そういう人にとっては、和牛の霜降りより輸入の赤身の方が好きだったりします。
もちろん、感性や価値観は人それぞれなので、どちらがいい、ということはないです。ですが、大切なことは値段に紛らわされず、きちんと自分は何に価値を置くか、ということをふまえて、ものを買う、ということが大切なんかなー、と思います。つまり、いいものを食べたい、と思って、高い値段出して和牛霜降りを食べても堪能しない、となってしまう、場合もあります。肉の旨みを味わいたいという人は輸入の赤身を買う、というのも一つ選択肢でしょう。
ということで、和牛の霜降り肉をテーマに値段と価値について考察しました。基本、価値から値段が決まりますが、値段が価値の判断基準になったり、人によって価値が違うので価値と価格が釣り合わない、ということも出てきたりします。