経営者こそ言葉の重たさを認識する必要がある

経営者にとって必要な資質というものは色々とあります。その一つが「言葉の重たさ」ということがあろうかと思います。今回はそんなことをば。

言葉が重い、ということは、その言葉に嘘がない、その言葉に矛盾がない、というように、その人の発した言葉は非常に高い信頼がおける、ということです。逆に、言葉が軽い、というと、場当たり的、取り繕う、嘘、軽々しい、というように、その人の言葉は信用できない、ということです。

簡単な例を挙げると、「後で連絡するねー。」と言って、つい、連絡を怠ってしまう、というのが、言葉が軽い状態です。特に、簡単なことであればあるほど、軽々しく引き受けて、つい、うっかり、連絡しそびれた、ということが往々にしてあります。逆に、つい、忘れがちなことでも、きちんと、連絡するということが言葉が重い、ということです。あとは、「今年はやるからね」とか言いながら、何もしない、というのも言葉が軽いです。

言葉の重さ、もう少し、具体的なことばを並べると、「嘘をつかない」「有言実行」「言行一致」「一貫性のある」というようなことが該当してきます。人を見て言葉を決める、というのは、言葉がかなり軽い状態であろうかと。

実を言うと、経営者、とか、その他長たる立場に立つと、言葉が軽くなりがちです。経営者には上司という概念がないので、言葉が軽くてもそれを咎める人がいないのですよね。それは取引先でも同じで、売り先であれば注意するのですが、買い先であれば、軽く見てしまう人もいるでしょう。つまり、経営者になると他人は律してくれないので、自分が自分を律する必要があるのですが、これがなかなか大変なことです。言葉を重くする、ということは当たり前なのですが、その当たり前のことがなかなか難しいのです。

ただ、言葉が軽い社長とか、可哀想と言えば可哀想でもあります。周りも気を遣って面とは言えないのですが、陰では「あいつは口先ばかりだ」とか、「適当なことばかり言っている」とか、そういうふうに言われてしまうし、そうすると、信頼関係なんてものははるか遠くになってしまいます。

ということで、経営者こそ言葉の重たさに注意を払うべき、ということが言えてくることになります。

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