我々、庶民としては、困ったことがあると「これは、政治が悪い。」というとか、なにかスキャンダル的なことがあれば、「あの政治家はレベルが低い。」ということがあります。でも、実はそれは庶民のレベルが低いのでは?もちろん、自分もそんな立派な人間ではないので、少し自戒を込めて書いてみます。
大きな前提として、政治家は選挙によって選ばれます。選挙権は、選挙の方法にもよるのですが、有権者にそれぞれ一票ずつ持っています。選挙に通らないと、政治家ではなくなってしまうので、彼らとしては、どのように有権者から一票を獲得できるか、ということを考えて行動しています。ということは、逆にいうと有権者が政治家にどのような政策や行動を期待しているか、で彼らの行動や将来とる政策が変わってきます。
具体的な例として、選挙期間中の、あのうるさい「○○をよろしくお願いします!」、「✖✖に清き一票を!」という選挙行動についてとりあげてみましょう。あれって、「うるさいなー。」と思う人も多いと思います。彼らも、そうやって立候補者の名前をさうざうしく連呼しているのは、決して、一般庶民に嫌がらせをしたいわけではなくて、おそらくそれが実際の得票につながるから。おそらく、投票をする一定数の人の中に「〇〇って聞いたことあるなー。」とか、「✖✖はがんばっているなー」といって、投票する人がいるんでしょうね。きっと。ですから、「うるさいなー。」と思う人が多くてもなかなかなくならない。逆に、選挙カーで自分の名前を連呼している人の名前をメモっておいてその人には投票しない、という行動を多くの人がとり、それが選挙に影響を与えるくらいになれば、選挙の際に、「○○をよろしくお願いします!」、「✖✖に清き一票を!」はなくなるのではと思います。
政治家が政治家であるためには選挙でえらばれることが絶対条件です。政治家として、いくら崇高な理念や高潔な感性を持っていたとしても、受からないと意味がありません。そのため、彼らの選挙活動、掲げる理念、政策とあらゆるところに「選挙で選ばれなくてはならない。」という意識が反映します。そのため、有権者自体の考え、それもデモなどで語られる綺麗なものだけではなく、声には出せないどちらかというと現実的なものも含めてそれをふまえて彼らは行動します。というわけで、政治家を責めるのはもうやめましょう。なぜならば、自分たち自身の考えや行動が、彼らを作っているのですから。