節税、法律に基づき支払う税金を減らすことです。節税をするときに、その節税策が意図したものか、それとも意図しないものか、注意したいものです。
意図をするのは誰か、というと、これは国です。つまり、国が政策的な配慮により税負担の減少を意図したことか、それとも、国にそのつもりはなかったのを納税者が制度の盲点をついたものか、ということです。意図しているもの、というと、例えば、NISA、Ideco、住宅ローン控除、各種所得控除、税額控除がそのカテゴリーに入ります。他方、意図していないもの、というと、自販機スキーム、社団法人スキーム、ドローンスキーム、全額損金スキーム等等個々の詳細は書きませんが、そういうものがあります、というかありました。
意図したものも、意図しないものも、合法ではあります。なので、当局が追徴したくても、そうはできない、ということになります。
注意したいのは、意図しないものであまりにもギリギリなものはやっぱりまずい、ということでしょう。租税回避と呼ばれ、時として追徴されてしまう、なんてこともあります。ただ、この辺りについては、スキームを作る人の腕の見せ所であり、きちんと税法や規制を勘案して作れば、そう簡単には否認できないと思いますよ。
もう一つの注意点としては、国が法律を変えてしまう可能性がある、ということ。特に、特定のスキームが流行したりすると、国としても黙っていられなくなって、法律を変えて抜け道を防ぐ、ということをします。法律を変えられると、今までの税法や規制の解釈に基づくスキームが崩壊していまい、以後、その節税策は取れなくなります。
ということで、意図した節税か意図せざる節税か、の見極めはしたいところ。特に、意図せざる節税はいつ法律が変わってしまうか分からないので、注意が必要です。まあ、法律が変えられる前にやってしまえという考えもあるのですが、それも含め、その節税策が意図したものかどうか、という検討は必要です。