会計学とその近接領域への誘い(7) ~原価計算

会計学とその近接領域への誘い。7回目の今回は原価計算をとりあげます。

原価計算の意義と必要性

原価計算、読んで字のごとく製品等在庫の原価を計算することです。これは、主に製造業を行っている会社で論点となります。

通常、商業であれば100円で仕入れて120円で売る、とした場合、原価は100円となります。これを販売すれば売上原価として費用となりますし、在庫として残れば100円を商品として計上することになります。

他方、製造業の場合、製品の原材料の他、工場設備、工員の人件費、光熱費等、とある製品の製造にようする費用は多岐にわたります。これをそれぞれの製品ごとに費用を割り当てる必要があり、それを行う計算方法が原価計算です。

原価計算の流れ

原価計算は費目集計、製品別集計、売上原価/仕掛品/製品への配賦というプロセスをたどります。

費目別集計は材料費、光熱費、人件費等々に各費用を特定の項目に集計します。それらの費用を各製品種別に配賦します。この場合、直接紐づけることができる場合(主原材料等)とそれが難しい場合(工場の賃借料)があります。前者は直接費として関連する製品に振り替えますが、後者は間接費としていったん集計してあらかじめ定めた計算規則により配賦します。

その後、製品の完成状況/払出状況に従い売上原価、仕掛品、製品へと分けていきます。この分け方には総合原価計算と個別原価計算の2つの方式がありますが、ここでは詳細は割愛します。

原価計算と財務会計/管理会計の関連

原価計算は財務会計/管理会計のそれぞれに関連します。つまり、財務諸表における売上原価の計算、在庫の評価ということについては、財務会計との関連が生じます。他方、製品原価をどのように管理するか、実績と予算もしくは標準との差異とその分析、というと管理会計の領域となります。ただ、原価計算はどちらかというと管理会計の文脈で論じられることが多いような気がしています。

まとめ

原価計算、これは製造工程から発生する費用を各製品に割り当てる計算方法です。簿記とは若干思考の使い方が異なるので、慣れるのがなかなか大変かとは思います。

 

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