今回は、簿記一連の流れについてとりあげてみます。簿記一連、つまり、日々の取引の記録から、その集約までのこととなります。
仕訳~日々の取引の記帳
まず、日々の取引について、仕訳という方法で記帳します。仕訳とは、企業において発生した経済事象を記録する方法です。仕訳という方法については、取引を2つの側面から見て記録することが特徴的です。例えば、100円でものを売った場合には、現金が100円増加し、売上が100円発生したと考えます。これを仕訳という形で書くと以下の様になります。
(借方) 現金 100 円 (貸方)売上 100円
借方は英語のdebit、貸方は英語の creditの直訳で特に意味はありません。左側が借方、右側を貸方というととらえておきましょう。このようにして、取引ごとに仕訳を起こしていきます。
元帳転記~各項目の推移を把握
元帳という帳簿により各項目の推移を把握します。仕訳だと、日々の取引はわかるものの各項目ごとの推移はわかりません。10月15日に現金がいくらあるのか、仕訳だと、その都度仕訳の中からとりだしてこないとなりません。そのため、各項目について増減があった場合、その都度、元帳に記載していきます。例えば、先の取引であれば、現金100円の増加について現金の元帳に記載していきます。
試算表/財務諸表~一定期間の取引を集計
そして、一定期間(月次、年次)が終わったら、試算表という表に全ての仕訳を集計します。ここでは、貸借対照表に関する項目、損益計算書に関する項目は分けずに把握します。そこで、決算の際に必要な修正事項を追加したうえで、試算表に集計された項目を貸借対照表と損益計算書に分けて、最終的な財務諸表を作成します。
キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書は通常は帳簿からは作りません。いったん、貸借対照表、損益計算書を作ったうえで、各勘定科目の推移表等に基づきキャッシュフロー計算書を作ります。
まとめ
ざっくりと、簿記一連の手順についてまとめました。ここでは、詳細な方法より、簿記では仕訳/元帳転記という方法により日々の取引を記録し、試算表という表にまとめ、そこから、貸借対照表や損益計算書を作成していく、というふうにという感じでざっくりととらえていただければ、と思います。興味がある方は一冊簿記の本を手許に置いていただければ。