こちらの連載も、もう、16回となりました。今回は内部統制の構成要素のうち、最後の一つとなる、モニタリングです。これは、きちんと内部統制が機能しているか、組織内部で確かめる仕組みです。
日常的モニタリング
これは、日々にそれぞれの階層により行われる内部統制の検証をさします。例えば、従業員によるセルフチェック。定期的に、チェックリストに基づき、きちんと規則/ルールに基づき業務を遂行できているか確認します。また、上司により定期的にチェックがなされたりすることもあります。このように日常的モニタリング、割と手軽にはできる反面、自己チェックとなる面もあり、有効性は低くなる傾向にあります。
独立的モニタリング
こちらは、モニタリング対象となる組織/部門とは独立した部署により行われます。一番、典型的な例は内部監査。つまり、内部監査は社長直結のラインであるため、それぞれの組織/部門からは独立していることが通常です。この場合、内部監査を専門に行っている部隊が検証手続をし、かつ、それぞれの部門からは独立しているため、実効性は非常に高くなります。ただし、内部監査の人員は限定されていることが多く、いったん内部監査を行うと時間がかかるため、頻度は少なくなります。
両者の組み合わせ
実際は両者を併用して、モニタリングが行われます。つまり、各部門/組織、もしくは、従業員レベルでモニタリングを行います。それとは、別に内部監査によるモニタリングも実施します。内部監査では、セルフチェック等、各部門/組織でのモニタリングの有効性を確かめるとともに、そこではカバーしきれない領域についてモニタリングすることとなります。
中小企業での展開
中小企業では、なかなか、モニタリングを手厚く行うことは難しいでしょう。内部監査を抱えるほどの余力のある企業な少ない、と思います。バランスを考えてモニタリング体制をしくことにはなります。ただ、時には外部の専門家にレビューを依頼する、ということも必要かもしれません。
まとめ
モニタリングには、日常的モニタリングと独立的モニタリングあります。両者はそれぞれ得失のあるところなので、併用していくことが望まれます。その際には、会社の規模や費用対効果を考える必要があります。