中小企業でも知っておきたい内部統制の知識、今までは統制活動に焦点を当ててきました。統制活動については、まだまだ色々と論点はあるのですが、ここからは、情報と伝達という別の項目に移ります。
情報を円滑に伝達することの意義
情報は内部統制の目的やそれに関する責任を達成するために必要となるものです。例えば、取引先の情報、財務情報、従業員の情報、製品の情報、こういったものを入手し、分析し、そして行動に移していく、ということが必要です。そのために、組織の内外から必要な情報を適時に取得する必要があります。
情報の道筋
情報は組織内部での流れ、組織の内外間の流れがあります。
内部での流れはさらに上から下、下から上、横展開、というように分かれます。上から下であれば、トップの意向、方針、指示、というものがあるでしょう。また、下から上であれば、報告や稟議ということがあります。どちらかというと上下の流れは公式であることが多いのですが、横というのは非公式になる傾向があります。
組織の内外間とすれば、外で起こっていることを適時に取り込む必要があります。それとともに、内から外に対して報告、財務報告や当局への報告もあります。こういった、外部への報告事項について適時、正確に行われることが必要です。
大企業、中小企業での情報の流れ方
大企業では、規模が大きいということがあり、情報の流れが公式化しています。組織図に沿った情報の流れであり、また、情報システムというものも発達しています。承認をとるのも、電子承認なので、紙が回るということは、余りないようです。
他方、中小企業のほうは、厳密に公式化されていないことが多いと思います。ある程度の公式の報告ルートを作ったら、後は非公式な形での情報のやりとりになるでしょう。そういった場合、適時に情報が上がってこない可能性もあるので、部下に声をかけるなりして、情報がスムースに流れるよう留意することが必要です。
まとめ
情報は内部統制の目的、責任を達成するために必要不可欠なものです。そのため、情報のルートを整備して、適時に適切な情報が流れるよう留意する必要があります。