海外に子会社がある会社、今ではたくさんあると思います。得てして、日本の親会社と海外の子会社の間では、温度差なり、溝なりが生まれてしまうことがあります。それについて少し考察してみたいと思います。
海外では想像できないことが
海外では(特に途上国と呼ばれる国では)日本からでは想像できないことが起こります。例えば、制度上のことであれば、優遇税制を受けるはずなのに政府機関からそれを証明する書類がでない、とある窓口では受領されなかった書類が別の窓口では受領されてしまう、長期休暇の後にはそのまま職場に戻ってこない人が多い、となかなか日本では考えられないことが多いです。
それと、日本だとあまりサプライズが起こらないように仕事を進めますが、海外だとそういう配慮がなされないことも多く、もうちょっと早くいってくれよ、といいたくなるようなこともあります。
海外に駐在している人は、日本では考えられないことが起こるので、それはそれは苦労しながら日々の業務をすすめています。
日本本社は日本の常識で考える
日本にある本社、日本国内にあるためなかなか海外のことはわかりません。それでも海外の事情や制度を勉強してくれればまだいいのですが、時にはそこまでも勉強していない場合があります。そうなった場合、日本の本社は日本の制度や常識で海外で起こっていることを判断しがちです。そうすると、海外で起こっている事象を理解することができず、本社の物差しで海外子会社の状況や駐在員の評価を決めてしまうことになります。そうすると海外で問題が起こっても、それは駐在員の怠慢で片づけられてしまうようなこともあったりもします。
温度差を解消するには
温度差を解消するにはやはり双方がコミュニケーションを密にとるしかありません。
駐在員はできる限り客観的に本社に報告する必要があるでしょう。また、時には専門家(法律事務所、会計事務所等)の意見を聞いたり、専門家を通じて現地の状況を報告してもらう、ということもあろうかと思います。本社サイドも当事者だけの言葉だとなかなか理解できにくい面がありますが、第三者からもそのような意見をもらうとすっと理解できる、ということもあります。
また、本社サイドもできる限り現地の情報を収集する必要があります。少なくとも、その国について記載された書籍やガイドはできるだけ目を通しておくべきでしょう。また、現地から上がってくる報告をできる限り、そのまま受け止めるとともに、必要があれば、専門家(法律事務所、会計事務所等)からも情報を収拾すべきです。この場合、専門家も日本にいる専門家より、現地の専門家の方が望ましいといえます。
まとめ
本社と海外の温度差、なかなか解消しにくい問題ではあります。そこは連絡を密にとって、お互いを思いやることにより、減らしていくしかないのでは、、と思います。