経営者として、会計数値をどう見ていくべきか、ということです。会計というと、「申告のためでしょ。」と言われることも多いのですが、必ずしもそうではない。その時のポイントをまとめてみました。
定期的に見る
まず、ある程度の頻度で定期的に見る、ということでしょう。できれば、月次で数字を追っておくほうが望ましい。というのは、経営をしている人であれば、特に事業の規模が小さい場合、受注状況や従業員の状況を見ているので、肌感覚では業績とかつかめていることもあるかと思います。ですが、その場合であっても、肌感覚と実際の業績にはズレが生じることもありますよね。なので、毎月、会計数値を見ることによりそのズレを把握する、ということも必要ですね。
それと、もう一点、会社の事業規模が大きくなると、経営者であっても全体像がつかみにくくなっています。昔(10年以上前)、堀江貴文さんが書いた著書に、従業員が30人を超えると全体がつかめなくなるので管理の仕組みを整えること必要になってくる、といったようなことが書いてありましたね。そうした場合も、定期的に会計数値を追うことにより、企業の全体像をつかみやすくなり、必要な手を打てるようになります。
全体を俯瞰的に見る
次に大切なのは、全体を俯瞰的にみることです。会計数値を細かく、一つ一つ見ていくと、勘定科目それぞれの内容を把握しないといけないので、それだけで力尽きてしまいます。そうではなくて、全体像を把握して、それから細かくみていくのがいいでしょう。
具体的な方法として、キーとなる数値を把握することでしょう。損益科目であれば、売上、営業利益、経常利益あたり。そこの状況を見て、必要に応じて内訳をみて分析していく、ということがいいです。貸借科目であれば、現金預金あたりを中心に見ることと同時に、金額の大きいものについては、内容を把握しておく、ということが大切です。そうそう、変動損益(直接原価計算)に寄っている場合は、売上、変動費、固定費、というククリでそれぞれどういう状況になっているかを把握する、というのもいいでしょう。
後は、数字の羅列だけではなく、グラフや図のように視覚的に見てみる、というのもわかりやすいですよね。各月ごとの売上のグラフとか、ボックス図みたいに勘定科目それぞれの金額に応じて図形を書き、それをつなぎ合わせていく、というのもいいでしょう。目で見ると一目でわかりやすくなったりもします。
あと、会計システムによっては、各種分析比率がたくさん吐き出されることもあるでしょう。ですが、そのすべてを理解しようとするのではなく、キーとなる、比率だけ追うようにするほうが、視点明確になるので効果的です。
比較する
最後のポイントとして、比較する、ということがあります。比較して、差が生じた理由を分析する、とよりよく、今期の状況を把握できることでしょう。
比較の方法は色々とあって、例えば、単月同士の比較、通期での比較、前月からの推移を分析、予算を立てている企業であれば、予算との比較、分析数値を使っているのであれば、分析数値同士の比較、ということもあるでしょう。
分析の仕方としては、上記と共通するのですが、まず全体的に大きい項目から分析を実施し、必要に応じてブレイクダウンしていく、ということがよいでしょう。
比較した結果を分析しその要因を把握することにより、従前の振り返りと、これからのアクションプランを考えることができるようになるはずです。
まとめ
というわけで、経営者が会計数値を活かそうと思ったら、定期的に見る、俯瞰的に見る、比較する、ということが大切となってきます。こうすれば、だいたい、企業の状態はわかるようになってくるはずです。