この文章は、令和4年8月20日に書いています。普段の月次レビューなのですが、ちょっと、タイトルをいじってみました。コロナ禍3回目の盆休み、ということで、7月下旬から8月のお盆過ぎ前の状況を俯瞰してみます。統計情報はNHK特設サイトより。
新型コロナ感染症の動向ですが、7月の3連休でグッとふえ、また、8月のお盆明けでさらに増えている状況です。7月16日が110,651人、7月23日が200,899人、255,508人と休み明けにグッと増えているのがわかると思います。新規感染者数が増えれば、それに伴い重症者、死者ともに増加しています。重症者は8月19日で627人、死者は8月16日には300人を超えました。
要因は何か、と言われると、3つある、と言われています。一つは、BA5という変異種の存在。もう一つは社会環境、最後がワクチンの効果が薄れてきたこと。では、それぞれ見ていきます。
まず、BA5、これは従来種より、感染力が非常に強い、ということになっています。また、ワクチンの発症予防効果は低くなっているようです。つまり、ワクチンをしていても、していなくても、かかってしまう、ということがあります。ただ、このBA5は重症化しにくい、特徴があります。熱や咳という風邪に近い症状で、肺炎になることは少なくなったようです。それが、次にあげる社会環境に影響を与えているわけですね。
社会環境ですが、行動制限は基本ほとんどありません。緊急事態宣言もまん延等防止措置も出ていないのです。ということは、飲食店の時短もないし、県境を越えることの制限もないです。ということで、お休みの時期は、帰省であるとか旅行であるとかに出かける人が多かった、ということがあります。もちろん、自粛する人もいるし、出かけた人も気をつけてはいたのですが、やっぱり、人が動けば感染は拡大してしまう、ということです。
逆に、医療側の状況は社会環境の変化に対応できていない面があるかな、、と感じることがあります。やっぱり、医療逼迫が起こっているのです。このところ議論されているところとして、2類相当から5類相当への変更、全数把握の撤廃、といったところ。あとは、濃厚接触者の5日間行動制限もやめてほしい、ところです。あと、医療機関でも発熱外来だけではなく内科全体で診察してくれれば医療逼迫も怒らないのに、、と思うところはあります。
ワクチンだと、変異種に対応していない、ということと、接種の効果が薄れているということもあります。3回目接種までしている人は、人口の約6割程度です。3回目接種した人でも早い人は2月くらいにしているので、そうすると結構効果は薄れています。
ワクチンで気になる点は、効果が明確でないのですね。ワクチンを接種した人と、していない人の差みたいなものが公表されていないのです。もしかしたら効果はないかもしれないのですが、まあ、それはないでしょう。5歳〜11歳の子供に対する接種が努力義務になったのも効果があるからだと思いますよ。ワクチンの効果を明確にすると、接種していない人に対するプレッシャーになる、ということもあるのですが、接種した人の中には、「努力義務として接種を受けた人と、そうでない人には制度的にも差をつけてほしい」という人もいるわけで、なかなか、難しい問題ではあります。
最後に社会の変動を受けた個人的な雑感として、そろそろ、「コロナにかかるわけにはいかない」から「コロナにかかっても仕方がない」というように社会の空気が変わってきたように感じます。昨年や一昨年前には、「Stay Home」という言葉が流行りましたが、今年はそれは聞かないです。やっぱり、Stay Homeされると経済的に悪影響が出てしまうので仕方がない面があります。それに応じて、社会体制であるとか、個人の生活も変えるべきなのでは、と考えるところです。