帳簿のチェックをするとき、どうやって、妥当性をチェックしますか?仕訳一件一件を証憑と照合すれば、妥当性であるといえそうです。ただ、そこにはいくつかの問題があるのです。今回はそんなことをば。
問題、というのは、かなり手数がかかるのです。多分、売上が 5,000万円超えるような会社や事業主であれば、相当程度の取引量があります。これを全件チェックしていくとなると、かなりの工数が必要で、現実的ではないように感じます。
もう一つの問題といたしましては、漏れは発見できない、ということです。取引が計上漏れしていても、そこに気づくのが難しい。もちろん、証憑から仕訳を追いかけてもいいのですが、これも工数がかかります。
これらの問題を対応する一つの方法が、残高を確認する、ということになります。例えば、現金勘定について実際の有高と勘定残高を照合する、とか、銀行預金について通帳残高と勘定残高と照合する。そうすると、何か間違えがあれば、残高が合わないですよね。その内容を調査すれば、間違えが把握できます。逆に残高が合えば、現金取引や預金取引の残高はあいそうです。
もう一つ、売掛金もそう。売掛金が取引先別に計上されていて、かつ、各取引ごとに滞留とか不明残がなく、綺麗に消し込まれているのであれば、売上の計上については、概ね妥当だ、と感じられます。
ただ、残高だけみている、、ということだと、それだけでは誤りは発見できず、例えば、期ずれみたいなものはわかりませんし、勘定科目の入繰や資本的支出収益的支出の相違も見逃してしまう可能性はあります。なので、あくまでも他の手続との組み合わせは意識するようにしましょう。
ということで、残高を確認することの意義を考えてみました。結構、有効なので試してみるといいかと存じます。