組織として成果をあげるためには、一つの方向にむかってみなが力を合わせる必要があります。そうすると、組織内での不和というものはそれを阻害する一番大きな要因となります。その弊害と発生原因を考えてみました。
組織内において、仲がしっくりこない、というのは組織にとってマイナスとなります。特に、それが組織の上層部で発生してしまうと、マイナスの度合いが大きくなります。具体的には、意思決定が遅れる、命令系統の一元化が図れなくなる、派閥ができる、お互いの足の引っ張りあいをする、組織の中での疑心暗鬼が深まる。そういう、内部的な抗争や調整に明け暮れてしまいエネルギーを使ってしまうと、肝心の事業であるとか、お客様であるとか、製品/サービス等等にそそぐエネルギーがなくなります。あとは、組織の構成員もそういう状況に嫌気がさしてしまう、ということもあるでしょう。
とはいえ、組織内の対立が生じるにはいくつかの要因があります。まずは、組織の価値観/利益と個人の価値観/利益が相反する場合。そうすると、どうしても個人の利益を大きくしようとする人が出てきて、組織の利益をないがしろにすることになります。でも、組織の利益を大きくしたい人もいるわけで、そこに対立が生じる素地がでてしまいます。もう一つは、感情。要するに「あいつは気に入らねえ」というやつです。あと、どんなに仲が良くても時の経過や事件、行き違いがあれば、人の感情はあっという間に変わってしまいます。
防ぐには、個人レベルでの利益を組織としての利益に整合するようにインセンティブの仕組みをきちんと整備することがあるでしょう。そうすれば、個人が利益を追求しても、それが組織の利益にも貢献するようになります。価値観については、組織としての価値観を打ち出しそれを理解してもらうようにしてもらう、ということもあります。
感情の問題はなかなか難しいのですが、感情に流されず理性で考える癖をつける、ことでしょうか。とはいえ、感情を抑え込むのは難しいので、そのバランスを考える必要があります。それと、もう一つ、組織内の不和は組織全体としての利益を損ねる、ということを言葉として認識しておけば、それがブレーキになるということもあるでしょう。
組織での業務を円滑にし、全体の利益をあげるためには、組織内は一枚岩にまとまっている必要があるでしょう。価値観、利害関係、感情、といった要因で難しいときもありますが、そこをうまく調整することが組織が生き残り、価値を増やすためには必要不可欠なことになります。