アルジャジーラから世界をのぞく(1) ~ドナルド・トランプ氏の2005年の納税額、メディアに漏えいか

さて、世間では春、なにかを始める季節だ、ということで、新しい試みとして、アルジャジーラから世界をのぞく、というテーマで連載をします。内容は、毎週末、Aljazeela Englishから気になる記事をとりあげて、それを紹介しよう、というもの。第1回めの連載は、ドナルド・トランプ氏の過去における納税額の漏えいについて。

記事の粗筋

ドナルド・トランプ氏の2005年の税務申告における納税額が漏れ、それをMSNBCというメディアが報道した、というものです。トランプ氏側は「それは違法だ。」とひはんしているとか。納税額は、150万ドルの所得に対して、38百万ドルの納税をした、というもの。そのうち、31百万ドルはAMT(代替ミニマム税)というもので、これについてはトランプ氏が廃止することを検討している、ということがまとめられています。

もともと、大統領選に出馬する人は、自分の納税額を公開するのが通例ですが、トランプ氏は公開しなかった。それについて、対立候補であるヒラリークリントン氏は討論会で詰問したのだが、トランプ氏は”That makes me smart”と返した、とあります。

親記事リンク:http://www.aljazeera.com/news/2017/03/donald-trump-tax-returns-170315002942279.html

代替ミニマム税とは

代替ミニマム税、Alternative Minimum Tax(AMT)、とは「高所得者、高所得企業にも一定の税負担を求めるという趣旨の下、高所得者の税控除、優遇措置を制限するために1969年に創設された制度。納税者は、各種控除を考慮して算出した通常の所得税額と、各種控除を排除して一定の計算方式で算出したAMT税額とを比較し、高額な方を支払う。」という制度です(JETRO ホームページより)。

この計算式によると、所得が低いうちは通常の所得税額のほうが多いため、AMTは発生しません。ある一定の点(聞くところによると 190,000ドルくらいらしい)を超えると、AMTのほうが大きくなる、ということです。

これを見ると、所得の増加に伴い、負担が増えるので、税負担という観点では一定の合理性があるようにも思えます。ただ、ご自身も富裕層であるドナルド・トランプ氏にとって、この税金は厄介なので、廃止したい、というのも無理はないことだろうなと。

感想

2005年の納税額が漏れたこと、若干、今更感がありますよね。つまり、大統領選の際には公開せず、これを押し通したにもかかわらず、大統領選に見事受かってしまいました。つまり、大半の国民にとって、ドナルド・トランプ氏の納税額、及び、公開の有無はそれほど問題ではなかったようです。で、今になって、2005年の納税額が公表されたといっても、「もう、大統領選もおわっちゃったしなー。」というところではないでしょうか。

 

 

 

 

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