事業承継において、「事業承継では変えたい病に注意」と書きました。じゃあ、全く、変えずに先代が考えるようにした方がいいか、というとそうでもありません。変えるべきところは変える、のですが、その理由を考えてみました。
最も大切なこととして、時代に合わせないといけない、ということです。つまり、先代が作り上げてきたことは、先代の時代に合わせて最適化したものです。どうしても慣性の法則で、どこかの時点で出来上がってしまい、そこから動かない、ということは往々にしてあります。他方で、時代が代わり、気づくとガラパゴスとか茹でガエルになってしまう。そうならないように、手を打つ必要があるわけです。
もう一つは、スキル。後継者が持っているスキルセットです。特に、後継者が別の企業や職種なりで培った力です。そういったものは、その組織では何年経っても生じません。そういった、スキルを活用すれば、その組織にはなかったものを生み出すことができるということです。それは、今までの業務の流れや提供する財・サービスとは異なるものなので、組織を変えることになります。
最後は、後継者の考えです。趣味とか、価値観とか、そういったものです。結局、考え方や生い立ちや時代なんかも先代とは異なってきます。なので、先代と同じことをする、というと、合わない、とかそういうところが出てきます。後継者、という以上、会社や事業に責任を負う以上、ある程度は自分のやりたいようにやりたいですよね。
ということで、事業承継、という場合は、「変える」ということも意識することは必要になってきます。