グロバリゼーションこそが、現在の、日本やいわゆる先進国が経済的に発展した理由の一つではないか、、と思います。が、そこには落とし穴もあったりします。今回はそんなことをば。
世界的に分業をする、ということで、それぞれの国がそれぞれ経済活動をするより、生産・分配される富が大きくなります。つまり、自分たちが得意とする産業に集中し、それを輸出して外貨を得てその外貨でその他の財貨を輸入する。お互いが自国の強みにフォーカスしそれを交換することにより、全体として富んでいく、というわけです。詳しくは、リカードという人が唱える、比較生産費説、という学説をご参照ください。
そのため、世界的には、関税とか輸入制限といった、保護・閉鎖的な政策ではなく、自由貿易という財貨の交換が活発に起こるような状況を目指すわけです。
ここでまず問題が起こるのが、自国の産業のうち淘汰されるものが出てくる、のです。自由貿易、開かれた世界、というのは、競争がその国内、その地域内、ではなく、全世界になります。特に、大量生産が効くような物品はそうなってしまいます。そうすると、世界的に弱い産業に属する企業は淘汰されてしまうのです。そうすると、一つの国に存在する産業が少なくなってしまいます。足りないものは輸入してくるわけですね。そこでの問題は、その淘汰されている産業に属している人は、職を失う可能性が出てきます。
そうなると、さらに大きな問題が出てきます。世界が平和で財貨が安定的に流れていればなんの問題もありません。ですが、世界のどこか一つでも、問題が発生すれば、あっという間に全世界に影響が与えます。つまり、そこの国や地域だけの問題ではなくなってしまいます。
例えば、アメリカの森林火災や住宅需要増による世界的な木材不足、ウクライナ危機による天然資源や食料品の不足、中国ロックダウンによる半導体不足による新車やパソコンの不足、など、限られた国や地域の問題がそれぞれ世界の財貨の流れに影響を与えています。このように、グローバルなサプライチェーンのどこかに問題が生じると全体に問題が生じるのが、グローバリゼーションの問題点の一つです。
じゃあ、どうするか、ということですが、それが、表題にもある、サブシステムとして自給自足や地産地消を行う、ということです。グローバリゼーションはOK、というか、今更、鎖国経済には戻れないと思います。なので、リスクヘッジ的に、一国にとって必要なものは全てでなくてもいいので、ある程度は自国で生産しておく、ということです。そうすると、グローバルで問題が起こってもある程度は国内で対処できます。例としては、最近、アメリカ合衆国で、半導体の投資を行い、自国で生産できる体制を目指す、なんてこともありました。特に、食料やエネルギーはなんとかしておきたいものです。