この文章は令和3年12月14日に書いています。日本国内では、新型コロナ感染症はひとまず収まった感じになっています。が、世界的には欧米を中心に再拡大の傾向が見えています。オミクロンということもあるし、まだまだ、気を抜けない日々が続きます。今回は、英語の小ネタを。
ブースター接種、新型コロナ感染症でワクチンが普及してきた時に出てきた単語です。意味としては、コロナワクチンを3回受けることとなります。元々は、英語の”booster shot”のカタカナ語訳です。そうそう、英語では、単にboosterとも言います。
このブースター接種、日本語や翻訳の面白さを表します。ブースターは表音後、特に日本語しての意味はありません。接種は日本語でつまりカタカナ語+日本語の組み合わせで一つの単語になっています。
ここで、ブースターショット、と英語のまま言ったらどうでしょう?意味、ピンときますか?多分、ショットでひかかってしまい、なかなか、意味が取りにくいと思います。ブースターは、まだ使いますが、ショットを注射という意味では使わないですよね。
追加接種じゃ、いけないのか?というと悪くはないです。現に追加接種と言っているメディアもあります。追加接種というのは、日本語でも通常、使われる言葉なので意味は通じます。元々は、ブースター接種と言っていたのですが、「なんで、追加接種という日本語を使わないのか?ブースター、なんて言ってもわからんよ」という批判があり、追加接種という言葉も使われるようになりました。
じゃあ、ブースター接種というのは。これは、おそらく、追加接種、と、booster shot、微妙にニュアンスが異なってくるからです。boosterという言葉は「後押しする人、後援者、昇圧機、(ラジオ・テレビのアンテナ入力を高める)増幅器、ブースター、(薬の)効能促進剤」(Weblio英和辞典より)という意味です。ので、”booster shot”というのも、2回のワクチン接種で高まった抗体をさらに増幅される、というニュアンスが追加されます。追加接種にすると、この「増幅」という意味がなくなるので、”booster shot”という英語からは意味が離れてしまいます。
ということで、ブースター接種という言葉に焦点を当てて考察してみました。こう、考えると、言葉や翻訳ということはなかなか面白いものかな、、と思ったりもします。