有能、ということと、人柄、というのはある意味矛盾していると考えられます。でも、社会生活をスムーズに営むためにはその両方が必要、と考えます。じゃあ、どうやって、というのがテーマです。
有能である、と、人がいい、両立は結構難しいのです。理由は二つあって、一つは力点の置き方、もう一つは自分と他人への優しさ。一つ目の力点、つまり、何を重視するか、です。有能な人は仕事や学業といった自分がなすべきことに集中するあまり、人間関係はおざなりになってしまうことがあります。自分に甘い人は人にも甘く、自分に厳しい人は人にも厳しい。もう一点、できる人は増上慢になりやすい。「俺はえらい」と思い、見下してしまうので、人の良さが落ちてしまう。
どちらかに偏ると社会生活に弊害が出てきます。有能さが強くなると、周りの人とうまくいかず、協力してくれない、困った時に手を差し伸べてくれない、仲良くしてくれない、となります。他方で、人がいいだけと、「いいやつなんだけどなー」といって、周りの人から見捨てられてしまう、ということがあります。
なので、ある程度両方を狙っていく、ということが必要です。まずは、バランスをとる、こと。有能さと人の良さを調節してちょうどいいポイントを見出すことでしょう。もう一つは、両方を伸ばすことです。トレードオフではなく、有能であり人柄もいい、人を目指す。イメージとしては、前者は右下がりの曲線上を同ポジションどりするか、後者は右下がりの曲線そのものを右側にシフトさせていくような感じでしょうか。両方伸ばすのはなかなか難しいので、短期的にはバランスをとり、長期的に右上の方にシフトさせるのがいいでしょう。
ちなみに、一般的にどちらに寄っていた方がいいか、と言われれば、やっぱり、人柄ですか。人柄が悪いと、周りから疎んぜられたり、時として足を引っ張られたりして、有能さを発揮できない、ということが往々にしてあるから。人柄がよければ多少ダメでも、周りが助けてくれるんですよね〜。