会計事務所との付き合い方について少し考えてみます。今回は記帳を自分でして会計事務所はチェックするにとどめるか、それとも記帳そのものも会計事務所にお願いするのか、どちらがいいか考えてみましょう。自分で、と書きましたが、ここには自社に経理を置いてそこで記帳をすることも含めます。
会計事務所によっても対応は異なります。なかには、自分で記帳することを強いるような会計事務所もあります。逆に、低コストで会社の記帳を代行するような事務所もあります。でも、両方対応できる会計事務所、というのは結構多い気がします。
どちらがいいか。短期的には会計事務所に記帳そのものをまかせてしまう、というのが楽だと思います。自分で記帳する、というのも手間だし、システムへの入力方法も勉強しないといけないし、短期的には結構負担が大きいのですよね。
ただ、長期的に見た場合はどうか。事業を健康的に運営するには、タイムリーに経営数値を見て、現状を把握し、それをもとに打ち手を考える、いわゆるPDCAを回す、ということが必要になります。経営数値は車で言えばスピードメーターのようなもので、スピードメーターを見ずに運転するのは危険である、のと同様経営数値をタイムリーに追わず、事業運営するのはやっぱり危険だと思います。
タイムリーに数字を得るためには、やっぱり、自分で(正確にいうと自社で)記帳したほうがいいと思われます。
もちろん、会計事務所に月次で試算表を出してもらうことができます。ですが、自社で記帳するよりは時間がかかってしまう、とか、規模が大きくなると経理をおいたほうがコストがかからない、ということがあります。また、会計事務所に記帳をお願いしても、結局、資料の整理や保管は自分でやらないといけないし、現金出納帳は毎日動くものであるため、自分でつけないといけません。ので、どうせやるなら、全部、自分で記帳したほうがいい、ともいえましょう。
で、自分で記帳する場合は、会計事務所はなにもしないのではないか、、と、思われるかもしれませんが、そんなことはありません。初期の頃は、システムの使い方や記帳の方法を伴走型で教えていきます。後、難易度が高い仕訳は会計事務所で入力する、ということもあるでしょう。徐々に慣れてくれば、チェックや、効率的な記帳方法、システムの活用、よりよい経営数値の把握の導入など、会社や個人事業主の成長を促進する手助けをする、ということになります。
ということで、長くなりましたが、結論としては、短期的に楽をしたいのであれば、会計事務所に記帳をお願いするほうがいい、となりますし、長期的に事業を発展させていきたいのであれば最初は多少大変でも自分で(自社で)記帳したほうがいい、となります。状況や価値観に照らして、選択していく、ということになります。