この文章は令和2年6月23日に書いています。流行度合は割に安定しており、経済活動も徐々に復調してきています。ただ、どこかのタイミングで第2波の可能性があり、それは少し怖いところです。
時折、他の病気や事故と比較する場合があります。論調として多いのが、インフルエンザの死者がいくらで、交通事故の死者はいくら。それと比べて新型コロナウイルス感染症の死者は少ない。ので、新型コロナウイルス感染症の脅威は思ったほど少ないのではないか。
確かに、一定の説得力をもった言説、と言えるでしょう。どうしても、新しい脅威、マスコミが盛んに騒ぎ立てる脅威、というものは、実体より過大にとらえてしまいます。別に、人が病んだり亡くなったりするのは新型コロナだけではないですから。
ですが、一点、この論を展開するには気を付ける必要があることがあります。それは、同じ条件で比較していますか、ということです。新型コロナウイルス感染症、徹底的に対策をたてていますよね。経済活動を相当程度犠牲にしています。だって、今まで、なにがしかの病気等々で外出自粛、イベント自粛、営業自粛それもここまで大規模にしていたことありますか。おそらく、史上初だと思います。なので、ここまで徹底的に対策したからこそ、死者数が抑えられた、とも言えます。
他の病気や事故はここまで徹底的に対策されたことはあまりないですよね。なので、単純に死者数を比較しただけで、病気の脅威を測るのは少し危ない、と思います。
やっぱり、新型コロナウイルス感染症に限らず、疫病については発生当初は警戒することが必要なのでは。ある程度、疫病の特性や脅威がわかり次第、徐々に警戒を緩めていく、ということがあるべき対応、と考えています。