会計に向いている人はどういうひとなのだろう、、と、ふと考えてみました。実は、貸借一致を幸せに感じるか、ということが一つポイントになりそうです。
会計の入り口は、複式簿記となります。複式簿記の大きな特徴として、借方と貸方があります。これは、一つの経済的事象を二つの面から記述するという、複式簿記特有の記録方法で、左側を借方、右側を貸方、といいます。例えば、商品を現金100円で買った、というのを、借方 商品 100 / 貸方 現金 100というような記録方法になります。ちなみにこのような記載を仕訳といいます。
そして、全ての取引を借方と貸方に分けて記録するので、当然、借方の金額の総額と、貸方の金額の総額は一致することになります。ここで、決算のときには、借方の項目と貸方の項目ごとに金額集計した試算表というものを作るのですが、当然に試算表においても各項目の借方合計と貸方合計は一致します。この試算表をもとに、貸借対照表と損益計算書を作成するのですが、損益計算書から計算された利益の金額を貸借対照表の貸方(赤字の場合は借方)にもっていくと、貸借対照表の借方合計と貸方合計は一致することになります。
裏を返せば、借方と貸方の合計が一致しない、ということになると、記録もしくは集計のどこかに誤りがあるようになります。で、どこが誤っているか、というのをこれまでの記録内容や集計仮定を見直しながら、それを正すことにより、貸借一致まで持ってくると、ある程度正しそうな印象を持ちます。貸借一致でも誤っていることはあるので、ある程度、ではあるのですが。
特にこのことを痛感するのは、複式簿記を勉強していて、計算問題を解いているときでしょう。時間が限られているということもあり、集計等に誤りがあることも多く、なかなか、一致しません。でも、首尾よく誤りが発見できたときや、もともと、正確に集計等できていたときには、貸借がピタリと一致します。このとき、ピタリと一致したことにつき、幸せを感じることができる、という人は会計に向いているのかな、、と思います。この貸借一致の快感が複式簿記の勉強に対する、一種のモチベーションとなり、勉強の原動力となるからです。
なので、貸借一致に幸せを感じることができれば、会計に向いている、といえるでしょう。といっても、実務の世界は、専門のソフトで会計記録を行っており、そうすると、間違いなく貸借は一致するのですが。