お金を使って、ものやサービスを買うとき、最もつらいのはいつですか?それは、お金を出すとき、なのです。今回はそれまつわり、お金の使い方や売り方に関する考察を。
まず、お金を出すときに辛く感じるのは、お金を出すとき、つまり、お金を払う決断をしたときになります。現金取引であれば現金を出すとき、ネット販売であれば支払手続をクリックするとき、引き落としだったら申し込み用紙を記入し提出するときです。
この、お金を支出する時の痛みというのは人の支出行為を防ぎます。この痛みがあるからこそ無駄遣いを防ぐことができる一方で、人生に必要な支出をも止めてしまうということはあるでしょう。
あと、ここでの落とし穴は、いったんお金を出してしまうと後は痛みを感じるタイミングがないことです。なので、大金を払ったあとその道具がほこりをかぶっていても、それほど痛くは感じません。また、毎月定期的に課金される場合については、驚くべきほど痛みを感じません。なので、例えばスポーツクラブに行かなくなっても、痛みを感じないので、行きもしないのに課金される、ということの多いこと、多いこと。
後は、話で出てきた金額の数値そのものに感情の揺れが左右されます。月額1,000円、と聞くと安く感じます。でも、このサービスを5年間受けた場合は、総額で60,000円で結構な金額だと思いませんか。きちんと払っているのであればいいのですが、漫然と払っていれば無駄ですよね。後は、期間限定半額、というのも、元の金額の対比で金額が安く感じます。
実は、お金について合理的に意思決定しているようで、感情的に意思決定しているのが人間です。これを防ぐにはお金の使い方について自分なりの判断基準を持つ、毎月の支払いは定期的に見返す、どの程度なら使っていいか数値基準を持つ、総額で考えるといったことが考えられます。そういった形で、できる限り理性的な使い方の基準を持ちたいものです。