会社不正等、色々な社会的な不正義がなされることがあります。実際、実行している人は大悪人だ、ということは少なく、一人一人は善良で真面目だったりもします。そんな善良な人たちがどうして悪をなしてしまうのか、考えてみました。
その一つとしては、悪をなすうえでの職務分掌。つまり、組織の中で悪事をなすにあたり、役割分担がなされている、と悪は進みやすくなってしまう。悪に対するブレーキである罪悪感、というのが、薄まりやすいのが組織だったりもします。
上司が命じて部下が実施する、ということを考えてみましょう。まず、指示を出す上司。指示を出すもととなる、理由をもっています。理由があれば自分の行為を正当化しやすい。また、上司は自分で実施するわけではないので、実施することによる罪悪感は感じずにすむ、という状態があります。逆に部下の場合だと、「これは上司の命令であるため、実行しなくてはならない。」ということで、自分の行為を正当化できます。上司、部下、それぞれが役割を分担することにより、罪悪感を軽減し、結果、悪が実行されてしまう、ということです。
また、集団になると、意思決定が極端になりやすく、それが悪につながるケースもあります。人といると普段の自分ではできないことでも、ノリとかでできてしまうことがあります。普段は、良心や不安がブレーキになっていますが、そのブレーキが弱くなってしまう、ということもあるかもしれません。一つの組織に属すると、そこの価値観がのみが唯一絶対の正義、と感じてしまい、それにそった行動しかできなくなる、ということもあります。
そんなこんなで善良な人であっても、組織の中では悪をなしてしまう、ということはあります。組織全体として、強い倫理観を持つということは必要です。不幸にして、悪をなす組織に入ってしまたったら、早急にそこから抜け出すようにして、自分の身を守る、ということが必要です。