人生100年時代にどう生きるべきか

織田信長の生きている時代は、まさに、「人生50年下天のうちをくらぶれば。」ということで、戦も多かった時期、50年で人生の幕を閉じるというのが一般的でした。そして、今だと平均寿命も伸び「人生は100年」、という時代になってきました。その際、どのように生きるべきか、ということを考えてみます。

昨今は医学の発達により、平均寿命が徐々に伸びつつあり、今では100歳まで生きることも珍しくなくなりました。それ自体は喜ばしいことなのでしょうが、それに付随していくつかの問題が持ち上がってきます。

そのうちの一つは、仕事が終わり、子供が独立した後のいわゆる老後期、なにを目標に生きていくか、ということがあります。現役時代は仕事やら子育てやらで、目の前に「やるべきこと」があり、それに追われているような状況です。ですが、それも50代後半から60代前半くらいでひと段落していきます。また、仕事も60もしくは65で定年となります。そうすると、「やるべきこと」が徐々になくなり、そこに空白の時間が生れます。そこで、ひがな空白の時間の処理に困ってしまい、なんとなく時間を空費してしまう、ということがでてきます。

じゃあ、この状態どうするか。一つとしては、「やりたいことをやろう。」となります。「わたる世間は鬼ばかり」というドラマがあり、その時に家長たる岡倉大吉さんが定年で退職したあと、料理学校に通い、居酒屋を開く、というようなことが例として挙げられます。そのさい、岡倉さんが奥さんに対して「お前と一緒に居酒屋をやりたかったんだよ。」と行ったとき、奥さんが「私はそんなことやりたくありませんよ。」と返したのが妙に印象に残っていたりして。それはさておき、やりたかったことをやってみる、ということがあるでしょう。

もう一つは、社会的に意義のある活動をする、というのもあるかもしれません。僕のかつての上司が言っていたことで印象に残っているのが、「若いときは自分のために、家族ができたら家族のために、子供が巣立ったら社会のために生きる」、ということです。そうすると、100年時代の後半にいる人は、いかに社会のために生きるのか、ということを考えてもいいでしょう。社会の課題、というのは大きいもの、小さいもの合わせれば、そこらへんにゴロゴロ転がっています。そういったもののうち、自分が興味を持ててできそうなもの、というものに取り組む、ということがあるでしょう。

どこかの講演で聞いた話ですが、100年時代、それほど悪いものではない、というふうな話もあります。それなりに年齢を重ねた人には生きた年月に相当する経験や知識があります。それは、時代の流れで無効化されていることもありますが、全てが全てそういうわけでもないでしょう。そういう経験と若い力が持つ行動力を組み合わせれば、色々なものが生み出される。また、このまま経済発展が続けば日本だけではなく世界全体が高齢化していきます。その際に、今、日本で高齢化に対する経験、知見を積み重ねることにより、世界に対して優位性が持てる、ということがあります。

というわけで、100年代、どう生きるか、色々と難しい面はありますが、いいことも悪いことも相応にあります。そういう状況を、時間を空費せず、充実した時間を過ごせるよう、各人が努力すべき、ということがあります。ちなみに私自身の老後は、岡倉大吉さんのように居酒屋を開業するか、シニア海外協力隊になり社会的活動をするか、そのあたりを考えています。

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