久しぶりの「日常生活から得られる学び」となります。よく、「背水の陣をひく。」といって、退路を断つことが往々にしてあります。が、必ずしもうまくいくとは限らず、結局、賭けに近いものがあります。僕が中国にいったときに意識したことを紹介しつつ、このことを考えてみました。
中国で働くと決めた時の事。一応、意思決定はしたものの、なかなか平らかな気持ちにはなれませんでした。英語に不安のあるなか、海外で働く、ということは結構不安で「これで大丈夫なのか。」、「うまくいかないんじゃないか。」、ということが常に頭から離れません。
で、僕が考えたのが、「うまくいかなければ日本に帰ればいいや。」。当時、日本はJ-SOXや四半期決算で会計士需要が高まっていました。なので、日本に帰っても食べていけない、ということはなさそうだなと。また、その時幸いにして独り身だったので、食べさせる家族もいない。多少は貯金もあったので仕事をしていなくてもしばらくは生きれる。また、あくまでも「就職」であり、なにか借金をして事業をするわけではないし、撤退は比較的容易だろうと。というように、逃げ道をふんだんに準備してからことにあたりました。
割と、この考え方が就職先でも自分を助けてくれたと思います。同じ会計事務所と言っても、職場環境や果たすべき役割が激変したこと、英語力等基本的な能力の不足で、「もう、しんどい」と思いました。ただ、「いつでも逃げれる。」と思うことによって、なんとか気持ちをさせることができました。
つまり、「背水の陣をひく。」ではなく、逃げ道を用意してことにあたる。それがあれば、「駄目ならにげてもいい。」と思えるので、気は楽になります。また、この例では、しんどいときでもなんとか逃げなかったのですが、もし、「どうしてもだめ。」ということであれば、職を辞して帰国することもできたでしょう。確かに、背水の陣をひくと追い詰められて力を出せる、ということもありますが、それとともに逃げることができず結局全滅する、という危険もはらんでいます。「死なない。」ということを力点に置くのであれば、逃げ道を確保するということも必要でしょう。