ここまで、自由とその周辺や反対概念について書いてきました。自由とつながり、自由と規範、自由と力。今回は、自由と欲望です。特段、矛盾はしないようでする、そんな不思議な関係です。
自由の一つの定義としては、「自分の持つ欲望をいつでも好きなだけ満たせる。」ということがあると思います。例えば、「いい車を欲しい。」と思ったらすぐに買うことができる。流行りの服を着たい、ということであれば着ることができる。欲望があるのにそれが満たせない、というのは、やっぱり不自由を感じてしまう、ということはありますよね。
とはいえ、欲望は限りなく、それをとことん満たす、というのは大変です。逆に、その欲望を満たそうとすればするほど、自分の行動が欲望を満たすことに向けられてしまい、気付くと自分の行動が欲望に縛られてしまいます。そうなると、はたから見ると自由であるが、自分としてはいまいち自由に感じられない、ということもあるでしょう。
これを回避するためには、欲望をある程度、制御する、制限する、ということが必要でしょう。また、テレビなんかだと欲望をそそられるようなCMは色々とあるのですが、見ないようにするというのも一つでしょうし。世間の流行は、それを売りたい人が裏側にはいるので、それに乗らないように気を付けたいところではあります。
結局、欲望に流される、欲望に縛られる、となると自由が損なわれてしまいます。大切なのは、欲望を制御し、うまくコントロールしつつ、満たすべきところは満たし、捨てるべきところは捨てる。そのことにより、自由を感じる時間的、精神的余裕を得られるのではないでしょうか。