最近、トランプ大統領が大暴れをしているようで、大きな話題になっています。このトランプさん、出てきた時には泡沫候補扱いだった(と記憶している)のですが、結局、大統領に収まってしまいました。日本でも、先の総選挙では安倍総理や自民党を批判する声も多かったのですが、結局、大勝。このように世間の声と実際の状況が乖離する、ということがあります。それについて少し考えてみました。
まずは、反対派の声は大きい。特に正論や耳に通りやすい立場に立っている人は声を大きくしがちで、他方、「正直に言うとそうだよね。」という側はあまり、大きな声をあげませんよね。
トランプさんが大統領になったときもそうですし、7か国国民入国禁止にかかる大統領令を出した時も、抗議活動はアメリカ全土で行われており、あたかも、アメリカ国民全てが反対しているかのように見えます。ところが、さきほどのニュース番組ではアメリカにて行われた世論調査によると42%の人が反対、49%の人が賛成、しているわけです。反対派の人たちの声が大きいので、つい、それが世の中全体の流れ、ともいえるのですが、必ずしもそうとは言えないでしょう。
上記を逆のほうから見ると、賛成派や無関心派は声を上げる必要がない。つまり、自分の思う方向に世の中が流れていっているので、いちいち、抗議活動をする必要はない、ということです。
その他、もう一つの理由としては、自分の属している共同体の考えや発言に自分の見方は影響を受けやすい。例えば、自分の友人が抗議活動に参加したり、特定の衆派を応援していたりしていて、それをfacebookにあげていたりすると、あたかもそれが世の中全体の流れに感じ取りやすい。自分の身の周りというのは、どんなに中立を志向しても一定の片寄が生じてしまうため、それをもとに全体の動きを推測しようとすると、判断を誤ることもあるでしょう。
このように、メディアや周囲の取り上げ方や議論の流れ、と、実際の世の中での支持というのは、異なる傾向にあります。そのため、世の中の状況や流れを理解するには、そのように自分の耳で聞こえること以外のことにも注意を払い、しっかりと世の中を読む必要があるのでは、と思います。