この人がいったから大丈夫、ということ、あると思います。話し手の能力や人間性に重きをおいて決断するケース。それはそれで一つの判断方法ですが、落とし穴もあります。
主体的に判断しなくなる
人に重きを置くと、言われている内容への検討が薄くなってしまいます。つまり、この人が言うことが信頼できる、として、その人の言葉を鵜呑みにしてしまうこと。そうすると、自分自身で色々考えたり、情報を集めたり、ということをしなくてなってしまいます。
そのため、時には、その人が失敗すると、それがそのまま自分の失敗になってしまう、ということもあります。例えば、ある人が投資商品を勧めていてそれを買ったら自分が失敗してしまうことも。多分、どこかのセールスマンが持って来たら絶対断るだろうな~、と思う案件でも知っている人、それも尊敬している人が投資していると、そこに信頼を置いてしまうのですよね。つまり、自分自身で主体的に判断することがなくなってしまう。
その人に動かされる可能性がある
その人はもしかしたら自分の隠れた意図をもっていっているかもしれません。そうした場合、その人の額面通り受け取ることは危険な場合があります。これはよくありがちな話で、投資を進める人は裏でバックリベートをもらっているかもしれません。転職を勧める男の人は下心をもって勧めめている可能性もあります。そういう場合、その人に乗っかると、その人の利益になるかもしれませんが、自分の利益は損ねてしまうかもしれません。意図が見える場合はまだ大丈夫ですが、見えない場合はかなり危険だ、といえるでしょう。
そこまでいかなくても、人は立場、価値観、利害関係があるため、その人の言葉はその人自身に規定されることになります。誰しもポジションがあるので、それを意識することが必要です。
責任を転嫁する
人に判断を任せた場合、失敗したときにはついその人のせいにしてしまいます。うまくいかなかったときは、憤り、怒り、後悔、恐れ、悲しみという感情を持ってしまい、それをそのままその人に対してぶつけてしまうようになります。これは、特に人生の岐路や大きなお金が動く取引で感じがちで、進学 / 転職を進められてそれに乗っかり、うまくいかない場合は、その人に騙された~、とか感じてしまいます。本当はその人のせいではなく、その人の言葉を信じてしまった自分自身の責任なのですが、なかなかそうは受け取れません。責任を転嫁すると反省することなくその人を恨むだけで終わってしまいいつまでも成長しない、そんな気もします。
その人のいうことにどのように対応するか
まずは、その人の能力、経験等はさておき、言っている内容を吟味すること。内容の理解はもちろん、軽くネットで調べたり、証拠を確認したり、セカンドオピニオンをとったりします。自分自身で納得の上、その人に乗るかどうか、ということを決めることが大切です。その時、違和感を感じたらその違和感は大切にしましょう。
後は、その人の意図を見抜く/ポジションを把握する、こと。なぜ、この人はこのような言動をしているのか。その人の目的はなにか。その人が置かれている状況はなにか。利害関係は存在するのか。特に利害関係の存在は著しく客観性を損ねるので、慎重に把握することが大切です。これは、相手が近寄ってきた場合は注意しましょう。
最後に、自分自身で自分の判断について責任を持つこと。人を鵜呑みにせず、内容を吟味していれば自然と自己責任感はでてくるはずです。もし、鵜呑みにするのであれば、「その人のいうことを信じて、うまくいかなくても(騙されても)仕方ない。」と思いきってしまうことです。ただ、投資詐欺にひかかってわめいている人を見るとなかなかそこまでは思い切るのは難しいようですが。。。
どこまで、徹底するか、ということは意思決定の重要さに依存すると思います。例えば、「あそこのラーメン屋おいしいよ。」というような話であれば、ここまで裏を取る必要なく、とりあえず食べにいけばいいでしょう。ですが、進学、転職、結婚、多額の投資には、その人の言うことに乗るのではなく熟慮することが大切です。