新年あけましておめでとうございます。昨年までは、会計税務関連ということで「会計学とその近接領域」を連載していましたが、今回からは別の規格を。中小企業であっても、内部統制ということを知っておくと有用ではないか、ということでそのことを記すことにしました。
内部統制とは
内部統制は組織内における業務の適正性を確保するために構築される仕組みのことを指します。つまり、経営者が組織を自分の思う方向へ動かしていくために内部統制を構築するということです。
具体的には、組織の目標の設定、規程/マニュアルなどのルール設定、職務や権限の分担、資産管理、情報管理ということがあります。これらの方法により、自分の組織をうまく導いていきます。
内部統制は必要か
人が増えてくる、と管理の仕組み、つまり内部統制は必要となってきます。自分1人でビジネスをしている場合、特に管理の仕組みは必要ないでしょう。もちろん、自己管理は必要なのですが、これは今回の目的ではないので、割愛します。
組織の規模が多くなるにつれ、人を雇うこともあります。その場合、人員が2~3人であれば、だいたいなにをしているかわかりすぐ指示もだせるので、厳密に管理せずともそれほど問題はないでしょう。それが、10人を超え、20人、30人となるとさすがに社長一人では目がいき届かなくなります。そのため、この段階まできたら徐々に管理の仕組みを整える必要があります。
形骸化しないように
内部統制を導入する、といった場合、気を付けないといけないことがあります。それは、管理の仕組みを構築するほうに重きが置かれ、ややもするとその目的が明確になっていない場合があります。そうすると、ルール、手続を順守することのみことに気を取られて、あまり意味のないことをしてしまう、ということもあります。また、紙の上ではルールとしてあるにもかかわらず、実際は順守されていない、ということもあるでしょう。どちらにしろ、管理がその目的を達成できていない、という点で問題があります。
このようなことが起こらないように、目的をもって管理の仕組み、すなわち内部統制を構築し、それをきちんと順守するようにしていくことが大切です。
まとめ
今回は初回ということで目的、必要性、実質という、総論的なことを記載しました。これから、徐々に各論に入っていきます。