長く勤めることがいいことだ、、とは必ずしも言えない

日本では、「石の上にも三年」というとおり、少なくとも三年間は同じところで仕事をすべき、という、考え方があります。実は、これは、日本特有の考え方かな、と思った次第です。

長く働くことが美徳であること

日本では、長く働くことが美徳と考えられていることがあります。従前は終身雇用というくらいで、一生同じ会社で働くという慣行があります。今は若干、終身雇用という考え方は崩れつつはあります。さはさりとて、あまりにも勤続年数が短いと、転職をしようとしても、「少し勤務期間がみじかいのではないかい。」ということで、マイナスに作用しております。というわけで、割と長く勤めることがいいことである、とみなされております。

そのため、日本の慣行だと、初年度のうちは、わりに見習いのようなことをさせたり、本人が希望する職種につけなかったりすることもあります。それでも、徐々に与えられた仕事の中でキャリアを積んでいく、ということが日本の会社だと一般的だったりします。

外国人はぱっと転職してしまう傾向が

日本人の間では、上記は一般的なことだと考えられています。若い世代は違うのかもしれませんが、40代以上となると支配的な考え方でしょう。ところが、この考え方は日本の特有の考え方かな、と思います。

私の知り合いの外国人の友人は勤めている会社を1年でやめてしまいます。理由を聞いてみると、別の会社でやりたいことが見つかった、とのこと。日本人的な感覚だと、1年でやめる、というのは躊躇のあるところですが、海外の人だとそうではない、、というのが驚きではあります。

採用した会社は外資系の会社なのですが、現職で1年しか働いていないにもかかわらず、採用してしまう、というのも日本的ではないです。日本の会社であれば、1年しか働いていない人だと、「自分の会社でも1年でやめてしまうのではないか。」と考え、採用を躊躇してしまうでしょう。そこを採用してしまうのが、外国人的な価値判断なのでは、と思います。

長い方がいいか、短い方がいいか

同じ会社に長く勤めることにはそれなりなメリットがあります。まず、仕事に慣れることによってこそ、成果を発揮しやすくなる、ことがあります。長く同じことをすれば、その分、うまくやることができるようになります。また、人間関係が安定する、やっぱり長い付き合いになりますからね。年功序列制賃金も、崩れつつはありますが、まだまだある程度は残っています。これも、長く勤めることのメリットです。

ただ、同じに会社に長くなる、というのもデメリットもあります。まずは、その会社の中が全てだ、と考えがちになってしまうこと。どうしても、その会社の価値観に染まってしまいます。別の会社に移ったときにやっぱり苦労します。これが重要ですが、今の仕事が自分のやりたいことにうまくはまらない場合、同じ会社の中だと色々なしがらみがありそれを実現するのが困難です。スパッと、職を変えてしまったほうが、結果としてやりたいことができる、ということは往々にしてあります。

どうやったら会社にいてもらえるか

最近、外国人の方も増えているし、また、日本人でも転職を多くする人が多くなってきます。転職を重ねる、それとと一つの会社に勤め続けるのか、ということはその人の価値観や状況によるものなので、それ自体を否定することはできません。

とは、雇う側の立場となれば、採用した人が1年や2年でやめられるとそれそれはそれで困ります。そのためにも、どうしたら人が定着してくれるのか、色々と施策を考える必要があるのでしょうね。

まとめ

同じ会社に長く勤めることが美徳、という考え方は日本の特有の考えであります。外国の人には通じないですし、日本人でも異なる価値観を持つ人が増えてきました。人を雇う立場としては、それをふまえて、どうやったら定着するか考えていく必要があるでしょう。

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